酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

初春の雑感あれこれ~落語、POG、波乱のA級順位戦etc

2018-03-05 20:52:42 | 戯れ言
 前稿の最後に、アカデミ-作品賞を「スリー・ビルボード」と予想したが、主演女優賞、助演男優賞の2部門にとどまった。作品賞、監督賞に輝いた「シェイプ・オブ・ウォーター」は異種間の愛を描いたファンタジーという。近いうちに観賞するつもりでいる。

 平昌狂騒曲を冷めた目で眺めていたが、日本は今後、スポーツ大国になるだろう。第一の理由は格差と貧困の拡大で、ハングリー精神はスポーツにとって最高の栄養素だ。第二の理由はDNAの融合で、既に陸上などで成果が表れている。話は変わるが、設楽悠太の1億円ゲットには驚いた。

 仕事先の夕刊紙の書評欄で、「男性という孤独な存在」(橘木俊詔著、PHP研究所)が気になった。同書によると江戸時代、非婚率は50%で、〝勝ち組〟以外の男性は独身が当たり前だったという。駄目な夫としっかり者の妻……、落語で頻繁に描かれる貧乏長屋の光景は、現実味は乏しいのかもしれない。これからは。当時の社会や風俗に思いを馳せながら落語に接することにする。

 先月末、WOWOWで柳家喬太郞、TBSチャンネルで春風亭一之輔の独演会を観賞した。両者の共通点は〝毒〟だが、意味合いが異なる。喬太郞は妖しい毒まき散らし、江戸川乱歩の短編をベースにした新作「赤いへや」、艶笑噺「吉田御殿」の2席を演じる。ともにレアかつ危うい噺で、WOWOWのチャレンジ精神に感心した。

 一之輔は「加賀の千代」と「鼠穴」の古典に、弾ける毒をまぶしていた。両者に加え、桃月庵白酒、柳家三三ら実力派もメディアへの露出が増えているが、三遊亭白鳥のテレビ登場は不可能だ。本人は腹を括り、寄席とホールで毒の塊を吐き続けるだろう。

 先週末はPOG指名馬が8頭も出走した。以下、発走順に成績を列挙する。
<3月3日>
小倉3R3歳未勝利(18頭・芝1200㍍)=⑪着ラベールノアール(8番人気)
中山4R3歳500万下(13頭・ダ1800㍍)=③着テトラルキア(2番人気)
阪神11Rチューリップ賞(10頭・芝1600㍍)=④着サラキア(4番人気)
=⑧着カレンシリエージョ(9番人気)
<3月4日>
小倉5R3歳未勝利(16頭・芝1800㍍)=⑤着スズカワークシップ(10番人気)
中山5R3歳未勝利(15頭・芝1600㍍)=③着エルディアマンテ(1番人気)
阪神9Rアルメリア賞(11頭・芝1800㍍)=①着フランツ(3番人気)
中山11R弥生賞(11頭・芝2000㍍)=①着ダノンプレミアム(1番人気)

 世代一の座を不動にしたダノンプレミアムは16位指名だったが、1位指名はフランツである。前年1位のアドミラブルとはオーナー、厩舎、騎手と共通点があり、血統も近いが、決定的な違いがある。調教で凄まじい動きを見せるアドミラブルと対照的に、フランツの動きは並以下だ。展開の利とデムーロの好判断でアルメリア賞を制したが、運も実力のうち。ダービー出走を期待したい。

 A級順位戦最終戦(全5局)が2日、一斉に行われ、6勝4敗で並んだ6人によるプレーオフという空前絶後の展開になる。実は当日、夕方から深夜まで仕事で、劇的なドラマをリアルタイムでチェック出来なかった。その分、プレーオフはネット中継で楽しみたい。

 パラマス方式で順位が下の久保利明王将と豊島将之八段は、挑戦権獲得には5連勝が必要だ。王将戦では1勝3敗と追い詰められた豊島が大熱戦を制し、ラウンド2で佐藤康光九段と相まみえる。抜け番だった2位の羽生善治竜王、1勝のみで連続挑戦出来る1位の稲葉陽八段が有力だが、何が起きるかわからない。

 最も耳目を集めたのは渡辺明棋王と三浦弘行八段の対局だった。繰り返しになるから詳述しないが、16年秋の竜王戦で挑戦者に決まった三浦が失格になった経緯が、将棋界に波紋を広げた。この動きを主導したのが渡辺だったから、因縁の対決だ。気合を前面に攻め続けた三浦が5勝5敗で残留し、敗れた渡辺は4勝6敗で降級する。3年越しのドラマは衝撃の結末を迎えた。

 ハリウッドの脚本家たちが結集してもこんなストーリーは作れない……。NFLや麻雀の対局番組ではこう感じることもしばしばだが、将棋界も先の読めないドラマチックな流れを見せている。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 亀裂から融和へ~「スリー・... | トップ | 「ロープ/戦場の生命線」~... »

コメントを投稿

戯れ言」カテゴリの最新記事