酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

落語、野球、ジャンヌ・モロー、競馬etc~真夏の雑感横浜編

2017-08-08 21:02:44 | 戯れ言
 週末は1泊2日で横浜を訪ね、落語、野球、観光を楽しんだ。感じたことを記したい。

 横浜といえば先月末、市長選が施行され、下馬評通りの結果に終わった。連合神奈川が現職の林候補(自公推薦)、旧民主系が元衆院議員の長島候補、旧維新系が伊藤候補を支援と、民進党が三分裂の体たらくある。

 長島、伊藤両候補が掲げたのは<カジノか給食か>……。言い換えればギャンブルか福祉で、まっとうなスローガンだが、プチギャンブラーの俺の心に響かない。太宰治は「人間は恋と革命のために生まれて来たのだ」(「斜陽」)と記している。恋と革命こそ、人の心を沸き立たせ、至福と破滅をもたらすギャンブルである……なんて、賭け事と無縁な人には屁理屈でしかない。

 土曜午後は「三遊亭白鳥 春風亭一之輔二人会」(関内ホール)に足を運んだ。仲入りを挟み、白鳥「アジアそば」→一之輔「百川」→一之輔「蝦蟇の油」→「隅田川母娘」の順で高座は進む。一之輔は古典に毒をまぶし、シュールな世界で〝壊れ〟を表現している。

 白鳥の「隅田川花火」を聴くのは3回目だが、最新バージョンには菅官房長官や松居一代も登場し、毒の密度はさらに濃い。片や古典、片や新作とベースは異なるが、両者の共通点は<毒と自嘲>で、深化と進化を続けている。行き止まりまで見届けたい。

 「勝烈庵」で腹ごしらえし、横浜スタジアムに向かう。残念ながら、前夜の快勝とは対照的な消化不良の内容だった。先発の井納は軸がブレているのか、体重移動がスムーズではないのか、制球が定まらない。攻撃陣も決め手を欠き、薮田を立ち直らせてしまった。その辺りが広島との実力差なのだろう。

 ネット中継が中心になったため、昨季からNFLを見る機会が激減した。30年近い観戦歴で得た教訓は<モメンタムとケミストリーの重要さ>だ。論理的に分析するアナリスト系ファンも多いが、NFLの死命を制するのはメンタルの力だ。プロ野球も同様で、一昨年のヤクルト、昨年の日本ハムと広島が当てはまる。今季、勢いを感じるのは西武で、日本一を予感させる。

 翌朝、ホテルでジャンヌ・モローの訃報に接する。名匠たちと映画を革新した大女優の死を悼みたい。俺にとって「死刑台のエレベーター」は〝映画の原風景〟で、アンニニュイなモローに心惹かれた。濡れねずみのフロランス(モロー)が恋人の姿を追い求め、夜の街を彷徨うシーンが記憶に残っている。マイルスの乾いたトランペットがフロランスの心象に寄り添い、叫びたくなるような狂おしさを覚えた。

 チェックアウトして向かった赤レンガ倉庫で、母に頼まれていたものの見つからなかったアクセサリーを発見出来たのは幸いだった。倉庫を出ると、「工作船資料館」の怪しい看板が目に飛び込んでくる。管轄する海上保安庁と工作船とのせめぎ合いに関する資料(船も)が陳列され、録音された音声を聞くことも出来る。

 中学1年の夏(1969年)、高浜(福井)の海水浴場を訪ね、<不審者を見かけたら通報してください>という看板に気付く。友人に意味を聞くと、「北朝鮮から工作船に乗ってやってくるスパイのことや」と教えてくれた。拉致事件との符合に気付いたのはかなり後のこと。日本海側は原発銀座で、公安警察の目が光っていたはずだ。そんな場所で拉致が頻発したことが不思議でならない。

 資料館を出て桜木町行きのバスに乗り、ウインズ横浜に向かう。POG指名馬アーモンドアイのデビュー戦を見届けるためである。1・3倍の圧倒的人気だったが差し届かず2着に終わった。素質の一端は示したし、放牧を経て臨む未勝利戦では勝ち上がれるはずだ。

 POGに興じるようになって10年、愛情で馬券を買うようになった。期間を過ぎても指名馬を追いかけてしまう。今週末は関屋記念(新潟)でメートルダール、エルムS(札幌)でピオネロが、ともに初重賞制覇を狙う。人気しそうで妙味はないが、馬券の軸に据えて応援する。
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