7日はロックンロール・ジプシーズ(新宿ロフト)、11日はザ・クーパー・テンプル・クロース(リキッドルーム)のライブを楽しんだ。併せて感想を記したい。
まずはロックンロール・ジプシーズから。元ルースターズの花田、池畑、下山にサポートのベーシストが加わったバンドである。昨年11月(リキッドルーム)よりファン層が若返った気もするが、リアルタイムでルースターズを追いかけた「同級生」も少なくない。
往時を知らない者は「ロック伝説」への敬意を、高齢層は懐かしさを胸にステージに見入っていた。剛直でラフな花田、妖しく繊細な下山……。後期ルースターズの肝だった好対照の2人が奏でるギターアンサンブルに、池畑(初期に脱退)のパワフルなドラミングが加わり、轟音を撒き散らす。年相応に枯れているのもジプシーズの魅力で、リラックスしてライブに臨んでいた。「オー・マイ・ゴッド」や「ネオン・ボーイ」といったルースターズ時代の曲が色褪せないのは、彼らが80年代、最先端を走り続けていたからだ。
次にザ・クーパー・テンプル・クロース。日英の違いこそあれ、彼らもルースターズ同様、不遇のバンドといえるだろう。
フロアに足を踏み入れた瞬間、自分が最年長と悟り、後方に下がる。幸いなことに、全景を見渡せる好位置をキープできた。ベーシスト脱退の影響か、5人のメンバーが複数の楽器をこなしていた。圧倒的な音の洪水に、老いた心臓がバクバクSOSを発信する。デビュー時に「あらゆるカテゴリーを超越する」と宣言した通り、ジャズ、オルタナ、プログレ、テクノ、ハウス、メタルなど様々な要素が混ざり合う音の坩堝を体感した。NYパンク風のパフォーマンスだったが、魂の拠りどころはキュアーやジョイ・ディヴィジョンと確信した。
1st“See This Through And Leave”の濃密でメランコリックな世界にノックアウトされた。2nd“Kick Up The Fire,And Let The Flames Break Loose ”は少し光が差したが、メランコリーは変わらない。3rd"Make This Your Own“の「ニューウェーヴ・リバイバル」に近い軽さには違和感を覚えたが、演奏された7曲は意外なほど聴き応えがあった。
開演前、フロントマンの暗さを心配するファンの声を耳にしたが、クーパーズ初体験の俺にとって、アルバムの高クオリティーを凌駕するライブだった。印象を簡潔に述べるなら<圧倒的な混沌>と<限りない可能性>である。彼らが今後、どのような方向に進んでいくのか興味深い。
混沌を濾過すればプライマル・スクリームになれるし、アヴァンギャルドを維持すれば<UKのソニック・ユース>として君臨できる。3rdにポップを味付けしたら、キラーズやマイ・ケミカル・ロマンスを吹っ飛ばしても不思議はない。もちろん、悪い可能性だってある。“ Six”で究極を提示しながら煮詰まって解散したマンサンのように……。
フジロック初日が「キュアーデー」になると信じ、車中泊バスツアーで参加する。ミューズとともにキュアーの'04北米ツアーに帯同したクーパーズがフジに出演すれば、<クーパーズ⇒ミューズ⇒キュアー>の流れになる可能性大だ。そのラインに、日本のロッカーで最もキュアーに影響を受けた浅井健一が加わってくれたら(出来ればJUDEとして)最高だけど……。
日割り正式発表まで、妄想と不安の時が続きそうだ。
まずはロックンロール・ジプシーズから。元ルースターズの花田、池畑、下山にサポートのベーシストが加わったバンドである。昨年11月(リキッドルーム)よりファン層が若返った気もするが、リアルタイムでルースターズを追いかけた「同級生」も少なくない。
往時を知らない者は「ロック伝説」への敬意を、高齢層は懐かしさを胸にステージに見入っていた。剛直でラフな花田、妖しく繊細な下山……。後期ルースターズの肝だった好対照の2人が奏でるギターアンサンブルに、池畑(初期に脱退)のパワフルなドラミングが加わり、轟音を撒き散らす。年相応に枯れているのもジプシーズの魅力で、リラックスしてライブに臨んでいた。「オー・マイ・ゴッド」や「ネオン・ボーイ」といったルースターズ時代の曲が色褪せないのは、彼らが80年代、最先端を走り続けていたからだ。
次にザ・クーパー・テンプル・クロース。日英の違いこそあれ、彼らもルースターズ同様、不遇のバンドといえるだろう。
フロアに足を踏み入れた瞬間、自分が最年長と悟り、後方に下がる。幸いなことに、全景を見渡せる好位置をキープできた。ベーシスト脱退の影響か、5人のメンバーが複数の楽器をこなしていた。圧倒的な音の洪水に、老いた心臓がバクバクSOSを発信する。デビュー時に「あらゆるカテゴリーを超越する」と宣言した通り、ジャズ、オルタナ、プログレ、テクノ、ハウス、メタルなど様々な要素が混ざり合う音の坩堝を体感した。NYパンク風のパフォーマンスだったが、魂の拠りどころはキュアーやジョイ・ディヴィジョンと確信した。
1st“See This Through And Leave”の濃密でメランコリックな世界にノックアウトされた。2nd“Kick Up The Fire,And Let The Flames Break Loose ”は少し光が差したが、メランコリーは変わらない。3rd"Make This Your Own“の「ニューウェーヴ・リバイバル」に近い軽さには違和感を覚えたが、演奏された7曲は意外なほど聴き応えがあった。
開演前、フロントマンの暗さを心配するファンの声を耳にしたが、クーパーズ初体験の俺にとって、アルバムの高クオリティーを凌駕するライブだった。印象を簡潔に述べるなら<圧倒的な混沌>と<限りない可能性>である。彼らが今後、どのような方向に進んでいくのか興味深い。
混沌を濾過すればプライマル・スクリームになれるし、アヴァンギャルドを維持すれば<UKのソニック・ユース>として君臨できる。3rdにポップを味付けしたら、キラーズやマイ・ケミカル・ロマンスを吹っ飛ばしても不思議はない。もちろん、悪い可能性だってある。“ Six”で究極を提示しながら煮詰まって解散したマンサンのように……。
フジロック初日が「キュアーデー」になると信じ、車中泊バスツアーで参加する。ミューズとともにキュアーの'04北米ツアーに帯同したクーパーズがフジに出演すれば、<クーパーズ⇒ミューズ⇒キュアー>の流れになる可能性大だ。そのラインに、日本のロッカーで最もキュアーに影響を受けた浅井健一が加わってくれたら(出来ればJUDEとして)最高だけど……。
日割り正式発表まで、妄想と不安の時が続きそうだ。