酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

「CSI」&「モンク」~点滴としてのドラマたち

2007-04-03 01:15:48 | 映画、ドラマ
 音楽、映画、書物、スポーツ、世の中の出来事……。これらは俺にとって栄養分であり、心の隙を埋める安定剤でもある。

 <点滴>として利用していた「相棒Ⅴ」が終了した。代わりの注射は「CSI科学捜査班Ⅵ」(WOWOW、4月中旬から)と、「名探偵モンクⅣ」(衛星第2、本日初回)である。

 「CSI」のメーンキャラは率先垂範のワーカホリック、グリッソム主任だ。昆虫好きのオタクだが、古典を引用して警句を発するなど、文学や哲学にも造詣が深い。部下に高圧的に接することなく、査定など事務全般を苦手にしている。気持ちを伝えられず結果的失恋に至るなど、少年のようにシャイな中年だ。シングルマザーのキャサリン、賭博常習者だったウォリック、突き抜けられない好青年ニック、グリッソムとの間に揺らぎがある才媛サラ、新人類風のグレッグ、家庭崩壊に悩むブラス警部……。長い時間を共有しながら、数個の影は重なることはない。痛いほどの孤独の余韻とともに、物語はフェードアウトする。

 再放送まで視聴率1位という「お化け番組」だが、食事時間向きではない。切り刻まれ、虫に食われた骸がリアルに映し出され、メンバーはアル検視官とともに「死」と向かい合う。辿り着いた真実は、時に「死」以上に酷薄だ。暴力、秘めた性癖、淀んだ感情、社会の腐敗が抉り出され、予定調和と程遠い結末に息を呑む。

 「推理するな。証拠がすべてだ」がグリッソムの口癖だが、従来型「推理ドラマ」の頂点に立つのが「名探偵モンク」だ。愛妻トゥルーディを失ったショックで退職した元刑事のモンクが、魅力的な女性助手(兼介護人)とともに難事件を解決していく。社会的不適応者のモンクだが、観察力、記憶力、直感はホームズばりだ。ヒントや伏線が視聴者に用意されているのも好感が持てる。人情味あるストットルマイヤー警部、ドジなディッシャー警部補、セラピストのクローガー先生との掛け合いも面白い。トゥルーディ爆死事件の真相究明が、モンク最後の事件になることは間違いない。

 <サプリ>のはずだった都知事選だが、期待と異なる結果(石原氏楽勝)になりそうだ。外山恒一候補の得票数に注目している。政見放送は多くのサイトに掲載され、再生回数は数十万件に上るという。俺も表現力に圧倒された一人だが、外山候補は「無名の奇人」ではない。ウィキペディアでは18㌻にわたって来歴が紹介されている。

 <酸素吸入器>というべきは、フジロック初日(7月27日)だ。ロッキンオン最新号に掲載されたスマッシュ日高代表の発言からも、当日夜のグリーンステージは<ミューズ⇒キュアー>が確実だ。1日分と車内仮眠バスツアーのチケットは購入済みで、これから4カ月弱、体力増強に努めたい。

 生きる理由が内側にない以上、俺は外側の装置に依存して生き永らえている。食い、嚥下し、消化し、排泄するだけの五尺数寸の屁ひり虫……。それが俺の実相だ。魂は極小なのに、御託を並べる分、質が悪い。

コメント (7)
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