酔生夢死浪人日記

 日々、思いついたさまざまなことを気ままに綴っていく

グラストンベリー05~最高峰のフェスを楽しむ

2005-11-13 02:59:55 | 音楽
 
 ハイロウズ活動停止の報が入ってきた。ブルーハーツ時代から日本のロックを牽引してきた甲本と真島に、まずは「お疲れさま」と言いたい。豪雨に見舞われた第1回フジロック、上半身裸で飛びはねる甲本に、不良外人たちが「イギー・ジャップ」と声を掛けていた。彼らを見たのは一度きりだが、懐かしい思い出である。

 さて、本題。「グラストンベリー・フェスティバル05」をスカパーで見た。フジロックが手本にした英国の野外フェスで、毎年6月下旬に開催される。規模といい、ラインアップといい、世界最大級のフェスだと思う。気になったアーティストを「老・中・青」にまとめて記したい。

 まずは同世代のじじいロッカーから。最初に登場するのがエルヴィス・コステロだ。初来日時、学生服でゲリラライブを敢行して警察に連行されていたが、今じゃすっかり円くなっている。ニュー・オーダーはジョイ・ディヴィジョン時代の「ラブ・ウィル・ティア・アス・アパート」が収録されていた。俺にとって大きな意味を持つ曲だが、聴衆のノリはいまひとつで、メンバーの表情に苛立ちが滲んでいた。対になる「ブルー・マンデー」は演奏したのだろうか?

 次は中堅。アッシュの変貌には驚いた。デビュー時のメランコリーと蒼さが消えている。試行錯誤の最中だろうが、再度のブレークを期待したい。プライマル・スクリームは憎たらしいほど完璧だ。Zepp東京でも感じたが、破綻のなさこそ唯一の欠点ではなかろうか。目玉というべきコールドプレイは、狂気、反抗、暴力といった要素と無縁なためか、画面を通して迫力が伝わってこない。対照的に毒を撒き散らしていたのがガービッジだ。「屑」というバンド名通り、チープな娼婦風のシャーリーが存在感を誇示していた。

 青年層の多くはニューウェーブ・リバイバルに括られる流行りの音だった。大人気のキラーズにしても、懐かしくて心地良いが、新鮮さや衝撃は感じない。インターポールのボーカルはイアン・カーティスの「黄泉がえり」だし、カサビアンはプライマル・スクリームの二番煎じではなかろうか。ホワイト・ストライプスには際立った個性があった。独特の歪みと始原的なリズムに、Tレックスの匂いが芬々と漂っている。粗削りなブロック・パーティーに、大化けの可能性を感じた。

 ミューズ、オアシス、モリッシー、PJハーベイ、スノウ・パトロールらがラインアップされていた昨年より落ちる気はしたが、旬のバンドの映像を楽しめた。来年以降も放映してほしい。

 最後に、リーズ留学中の後輩から届いたライブリポートを。Ordinary Boysはモッドパンク? の範疇らしいが、パフォーマンスの質も高く、広い年齢層の野郎どもに支持されているようだ。好ルックスのRoosterには黄色い歓声が飛び交ったが、ギグの中身は発展途上の印象が濃かったという。ともに大学構内で行われ、料金は2500円前後(学割)というから格安だ。ロックが文化として生活に根を下ろしていることが、行間から窺えた。羨ましい限りである。

 <追記> ここんとこ音楽誌を読まないのでロック事情に疎かったが、ブロック・パーティーが既にブレークしていたことが、更新後に判明。大化け中ってとこか。

コメント (13)
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