2014年厚生労働白書によると、生きたいと思う年齢の平均は男性80.90歳、女性78.36歳。生きられると思う年齢の平均は男性77.75歳、女性77.52歳。生きたい、生きられると思う平均年齢に男女の大きな差は見られない。ところが2013年の簡易生命表によると、90歳まで生存する割合は女性47.2%、男性23.1%とおよそ半分、95歳までになると女性23.1%に対し男性はなんと8.1%と三分の一になる。
貴方の面倒を見てから私は逝くといっていた妻が、私が先に逝くことにすると変心した。その理由は「年金が減額するから」ということらしい、という内容の投稿を読んだ。しかし、実際の生存率からするとこの変心を適える見込みは薄い。退職後に年金だけで生活する夫婦の蓄えは2千万円近く必要という報道もある。病院か施設か自宅かで2千万円は変わるだろう。
この季節、近くの種苗店には多くの苗が並び、これを求める農業を職とする人、菜園を趣味とする人など1年で最も賑わっている。そばで宅配の車から苗の入った段ボール箱がいくつも降ろされている。ピーマン2本、プランター植えの苗を買うには声をひそめる。店先を眺めていると、種を撒いて苗を育てて植える、そんな工程は古い農法でコストもかさむのだろう。
何年間も実をつけたい、この次の年はもっと大きく実らせたい、来年は赤色の花を咲かそう、そんな雑念を抱かずにただ生業に務める植物の寿命は1年。人も年齢を気にせず自然なままに生きたら何歳まで生きれるだろう。今日は24節季の小満、万物の成長する気が満ち始めるころという。生き物にとってはいい季節になる。