2010年11月29日 朝日新聞「声」掲載
「食べる〜」と朝早く届いたのは好きな大根の問引き菜。小指くらいに育った大根が、黒い湿った泥にまみれ、夜露にぬれた葉は新鮮そのもの。根菜類は大きく育てるため、株と株の間を間引く。その抜いたものを間引き菜という。
問引き菜には思い出がある。子どものころ我が家には、少しばかりの菜園があった。その季節になると、おかずの呼び名は変わるが、食材は間違いなく間引き菜。少し不満を口にしたら、「緑の野菜をしっかり食べたら風邪を引かない」と祖母が諭した。季節の野菜のうまさとありがたさをそのころに知ったのかも知れない。
出荷まで間引き作業は何回も行う。農家の人はこつこつ育てた作物を無駄にしないで食材にされる。野菜を頂いたときお礼を言うと「食べてもらえたらうれしいので」と恐縮する言葉が返る。
頂いた間引き菜は量がある。炊いて炒めて和えて、妻は幾品作ってくれるのか。浅漬けのしやきしやきとしたあの歯ごたえも、またいい。
成長に合わせて間引きする‥多目の種子を
植えて競走させて生育を促して 間引きする。
果実だってそうだ‥リンゴ・梨だって摘果する。
我が妻はリンゴなど「折角花芽を付けた
のだから摘果しないで!」と云うがそれが
間違いなのだ‥と云っても聞く耳を持たない。
ひ弱な小さいリンゴがたくさん実る・・
間引き・摘果の大切さを妻に再度教えなければならない
洗うほうが面倒なくらいでも。
全部食べてあげるtatu-no-koさんはえらい。いや、奥様がえらい!んだ。
お料理上手な奥様でうらやましい。野菜が高いので、いただけるだけでありがとうって気持ちになりますね。私はちりめんと炒めて食べるのが好きです。
そちらでは「間引き菜」と呼ぶのですね。
意味は同じですが、
岐阜では「ぬき菜」という名前で
八百屋に並ぶこともあります。
「折角花芽を付けたのだから摘果しないで!」、といわれる奥様の気持ちも、これまた真実でしょう。
育てた人は小さくても幼子への気持ちと同じでしょうか。大好物なのです。
最後のお褒めの言葉、伝えておきます。
菜園を持たない我が家は、こうして頂ける新鮮な野菜を大切に頂いています。
ちりめん炒め、今回の1品にありました。
「ぬき菜」、意味がよく伝わります。間引く、という表現より、ぬき菜のほうが野菜に優しい感じがします。
どんな調理方法をされていますか。