
子どものころに聞かされた話に「ツバメが巣を掛ける家は丈夫で安全」という記憶がある。また、ある人は火事を起こさない家ともいう。その真偽は別にして、人の心休まる家ということと共通している。悔しいかな、我が家にはこれまで1度も巣を掛けてくれない、いや、その下見らしきことにも出会っていない。心怠るな、という戒めと受け止めておこう。
ツバメといえば、田んぼ水面をすれすれに飛びかい、その端に来ると急上昇し再び水面まじかを飛ぶ。目にもとまらぬ早業で捕らえた虫を巣へ持ち帰る。そんな田園地帯の中央に道路が完成、一帯は商業と住宅地に変わり、田んぼは消えた。それころから何代目かのツバメらは、アスファルトやコンクリートの路面上で補虫に余念がない。飛ぶ速さは時速50㌔というが、行きかう車や自転車を避けることを会得している。天敵から逃れるときは200㌔に達するという。
そんな、こころよい軽快さから国鉄時代の特急列車につばめの愛称がある。国鉄バスの横についていたシンボルはつばめのマークで懐かしい。京の五条の橋の欄干に立ち弁慶を謝らせた牛若丸の動きはつばめのような早業。森昌子の熱唱を涙で途切れさせたのは越冬つばめ。つばめが高速で飛ぶフォームは見た目にも美しく害虫を餌とすることからも日本人には好かれるのだろう。
新聞を取りに出る、電線で何羽かのつばめがミーティングをしている光景は桜の咲き始めるころと同じ。数は2羽の日も数羽の日もある。これから巣作り子育て、そして南下の準備、短い滞在中に人の一生涯にも当たる働きをする。見上げてみるが我が家に飛来の兆しはないようだ。今年も見上げての応援に徹しよう。
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