日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

名残りの雪

2016年03月01日 | 回想


 北日本では数年に1度という猛吹雪に見舞われているが、県内はさほどのこともなく高校の卒業式は行われた。我が高校卒業の思い出は薄い記憶でしかない。当時は産官学一体となって日本経済の発展を図る昭和30年代半ばのころのイケイケドンドンの世相だったが波はあった。今でいう就活、高校への求人は少なくクラスは霧が漂うようで、活気に満ちている雰囲気はなかった。ところが3学期になり求人が殺到、クラス全員が就職先決定で卒業した。

 一部の運動系では推薦入学らしきこともあったというが、高校入学にはアチーブメントテストを突破することが必須条件だった。かといって、最近、報道されるような過酷な受験準備はなかった。3学期の放課後に若干の補習が行われたくらいの記憶だ。そのころ、中学卒業後に全日制高校へ進む者は半数くらい、金の卵と呼ばれての就職や働きながら定時制高校へ進む同級も多かった。

 それなりに苦労して入学し3年間、同じクラスで過ごした市内に住の者が自然に集い始めて20年を越える。年2回は一献交わしましょう、と誰に遠慮することない会合を続けている。しかし、突然やって来る物故の報に驚くことが増えた。歳を考えて過ごし次も元気で乾杯しようと別れているが、ままならないものだ。

 昨日は雷、強風、風雪、大雪、着雪など穏やかでない気象予報の発令や解除が繰り返された。昼前にすべて解除され卒業生を悩ませることはなかった。朝方、市街地では真っ白な雪がそっと卒業を祝っていた。この雪は「名残りの雪」といい、春になってから冬のなごりに降る雪で、学業を終えた若者達を送るにふさわしい自然界からの祝福だろう。これまでとは違い卒業証書と選挙権を共に手にした君たちへの期待は大きい、未来へ向かって羽ばたいてくれ。
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