子どもころにはポキンと折り、皮をむいて肉厚の茎を食べて遊んだ。古いことでどんな味か思い出せないが、サッパリ系だったと思う。その頃は「ハイタナ」と呼んだ。ハイタナは今頃の時期、雑草の中で背を伸ばしている。
背丈以上になると硬くる。それを刀に見たてチャンバラ遊びをした。あたると結構な痛さで、小さい子には無理強い出来なかった。その呼びを「イタドリ」と知ったのはいつ頃だろうか。最近、古くて硬くなったら杖として使える、と聞いた。イタドリは「虎杖」と書く、字づらから見ても強そうで、杖として使えることがわかる。散歩のときそんなイタドリを探してみよう。
茎を10センチ余りの中空のパイプ状に切る。両側から中心へ向けて切れ目を入れる。切りこみ過ぎると割れるので注意しながらナイフや包丁を使う。茶筅ほどではないが、遊びとしては16分割くらいにはしたように思う。切り目を入れ終わったら、一晩、水に浸しておく。分割されたそれぞれは外側に向いて楕円状に反り返ろ。中空に小さな棒を通し、流れ落ちる水にかざすと水車になる。その回転速度は風車以上に早く回った。
茎は竹に似ていることから笛作りを習ったと思うが、思い出せないので失敗したのだろう。杉花粉も知らず、いま恐れられているマダニも知らず遊びまわった。ただ、マムシだけは気を付けるよう繰り返し言われたことは強く記憶に残っている。一昨年の秋の入院中、マムシにかまれた男性が隣のベッドに2日間入院したとき、その怖さを改めて知った。野山で子どもらの遊ぶ姿を見かけなくなった。
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