日々のことを徒然に

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イキナクロベイ

2015年03月12日 | ウオーキング 散歩

 春日八郎の歌った「お富さん」。「イキなクロベイ ミコシのマーツに・・・」の出だしの「粋な黒兵衛さん」とはどんな粋な人だろう、そう思いながら気持ちを入れて歌っていた。そんなある時「黒兵衛ではなく黒塀」と知ってからは歌わなくなったという歌の上手い知人がいた。確かに、黒兵衛ならぬ黒塀では歌への思いは変わるだろう。野暮な私は「粋」という言葉には憧れるとこがある。

 その黒塀とは「黒い塗装は渋墨塗といって、柿渋と松の木を焼いた煤(松煙)を混ぜたもので、防虫・防腐・防湿効果がある他、建物の化粧として屋内外に用いられる日本古来の伝統技術」という。低粘度の液状で刷毛で塗布する。これは含浸して着色するので塗膜を作らない。塗膜を作らないから木目や節などがくっきり浮かぶ。この日本伝統の技術も消滅に近いという。

 知人の大工は木造の家を手掛けている。完成したそれを見学したときにこれまで知らなかった匂いに気づき訊ねると「柿渋」の匂いという答え。これまでに見たことのない色合いだったように記憶する。「年数につれ黒味が現れる」と誇らしげに話した。あの家はどんな落ち着きのある家に変わっただろうか。

 散歩道に黒塀と思うそれに囲まれた屋敷、それは元割烹で門の両側の黒い板塀の家。そこにはお富さんはいないが、宮本武蔵に登場するお通のモデルになった仲居さんがいたという話が伝わる。京都では茶屋街で黒塀の観光が楽しめるとか。粋な姿で宴席を設けてみたいが、黒塀は丁寧にお断りしてくるだろう、場違いですと。 
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