日々のことを徒然に

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南天の実

2021年01月27日 | 自然 季節

 散策中、花は少ないがこの時期ならではの南天の赤い実がそこここで見られる。手入れされたものから、地下茎がどんどん伸びて株を増やし、束ねたような密になって茂っているなど多様な姿を見せる。南天は難を転ずるという語呂から縁起のいい木として聞かされてきた。祖母は障子の引手部分に南天の葉を封じ込めていた。空で返す器にも南天の葉が入っていた。

 あの赤い実を弾に見立て、細い竹を銃身代わりにした南天鉄砲遊びをしていた。スギの実の場合は杉鉄砲として遊んでいた。南天の実を口に含んで銃身に詰めていた。年長者から「実は絶対に飲み込むな、毒だから」そんなことを教わりながら遊んだ。南天などどこの家にも道沿いにもあり弾に困ることはなかった。

 そんな南天、我が家の狭庭でも思わぬ所に南天がひとり生えしていることがある。小鳥が残していった土産から芽が出た、と聞かされてきた。南天の実を小鳥が口にしていることを知っておりなるほどと納得する。南天の実に毒、あれは本当だったのだろうか。

 白壁に囲まれた大きな屋敷と歩道の隙間に、葉が赤くなった南天の木、といっても背丈は1㍍あるなしだが1本生えている。それは根性南天と呼ばれて不思議ではない姿。しかし、白壁の屋敷によく似合っている。それにしてもこの隙間にうまく覗けたものだと感心しながら「難を転じたのか」と思う。この場所でいつまで伸び続けていけるだろうか、いやいや、再び難を転じるだろう、そう思いながら「頑張れよ」と別れ言葉を残して立ち去った。
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