いろいろな方面に手を出している人から「粘土をこねて何か作ってどこが面白いか」と聞かれた。陶芸作家なら上手く説明できようが素人だから「とにかく楽しくてやっている」という答えになった。
月2回の陶芸教室。三十数名のメンバーはかっての職場も仕事も違う者の集い。楽しさは迎えのバスに乗ったときから始まる。定年を越えた者同士、さしたる遠慮もなく生活話が起きる。驚いたり、教えられたり、やっぱりと納得したり、話題が尽きることはない。たまには難しい話も出る。そんな仲間のつどいだが、年齢に勝る元気さを感じる。
自由制作の日は作るものを決めてくる人、制作台で粘土を練りながら考える人、連作にいそしむ人と様々な制作スタイルがある。自分は決めているときと練りながらの決めるのが半々くらい。いい作品、納得する仕上げのためにはしっかり考えて策を備えて参加することだろうが、思うばかりで済ませている。
先日の教室。緑鮮やかな何種類かの葉を持参した女性メンバーがいた。練り終わったに粘土から葉形を活かした器が何種類も作られる。葉脈が器の模様となる。そこには自然のままだとやがて枯れ朽ちていく葉の生き生きとした今が印し残されている。摘み取られた葉の命は永く器として残される。
そんな自然造形の作品を横目にしながら、自分はいつもと変わらぬ地味な器つくり。標高500メートルにある陶芸教室、周囲は深い霧に覆われている。そんな静寂の中でろくろを回す。
子どもさんのつくられたお皿、どうなっているでしょう。ちび姫さん使われませんか。
葉っぱのお皿という題材で
陶器のお皿をつくりました。
粘土に葉っぱを押しつけて
形を切り取り
釉薬をかけて焼いてもらうんです。
懐かしく思い出しました。