「好き嫌い言わずなんでも良く噛んでいただきましょう」、こんな内容でこんな調子の言葉をよく聞いた。物心ついた子どものころは第二次世界大戦のさなか、とにかくおなか一杯食べさせることが親の務めだった、そんな話は戦後になってよく聞いたし、文章で読んだこともある。代用食という言葉は記憶している。
「食べれることは健康、心配ない」、若いころ世話になった内科医院の若い先生の口癖だった。その食べることの基本は歯が丈夫でなければならない。そのためには歯磨きが重要だと小さな時から教えられてきた。それは今も続いている。しかし、その用具も使用する歯磨き剤も多種類で、CMを見ているとどれを選択するか、試験問題を解くような気になる。
食べれることは健康の元、いつからかそう自覚し歯磨きに留意し始めた。高齢者という年齢域に入ってからは歯科医で定期的に診断と治療を受けるようになった。そのうち「80歳で20本以上自分の歯」を表す8020を目標にした。思い立った時に生まれてから保ってきた歯が幾本あったか知らないままに。
先日、予約日に歯科医院へ、診察台が倒され口を開く。「おおいい状態ですね」と先生の声、合わせて20本以上自歯のあることを教えられた。8020の目標達成となった。万歳をして喜ぶほどのことではないが、達成したということは記録しおこう。8020を達成した人の割合は直近で2人に1人と厚労省の調べにある。これが85歳になると半減するらしい、さて今の状態がどこまで維持できるか頑張ってみよう。