日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

耕作放棄地

2020年01月09日 | 社会 政治

 昨年末、山間部集落で数人の高齢者が住んでいる人の近況を伝え聞いた。「熊、猪、鹿、狸、猿、何でも訪ねてくる」とのことだった。こうした動物が山を下り、谷を走り、川や海を越え農作物を荒らす農獣にかわる。1匹ならず時には群れとなって山裾だけでなく都市部の住宅地にも姿を見せる。人を恐れることもなく、時にはその逆も報道され子どもらに危害が及ばないかと心配されている。

 住宅地に彼ら農獣が姿を見せると大騒ぎ、大捕物の様子をTVカメラが逐一捉え画面で見せる。こうした光景になんだか慣れっこになっているようだが、わが家の住まい地にもいつ進出してくるかもしれない、散歩道沿いの放棄された畑を見ると気になる。雑草を見ることがないくらい常に耕作されていた畑一帯が、今は背丈以上になった枯れススキの原になっている。

 ところどころに崩れかけたり、雨よけのシートが破れ落ちたりした農業資材小屋も散見する。そんな一帯に黄色く色づいた柑橘類の木が幾本も冬の日を浴びている。しかし、その根周りには無数の落下した黄色の実が散乱している。かって、この一帯を散歩中、収穫中の人が「野菜をもっていきんさい」と声を掛けられ貰ったこともある。最近の移り変わりに驚いている。

 野菜を貰っていたころ、耕作されていた人らと話してみると定年退職後の元気な人が多かった。しかし、月が経ち年が過ぎると次第に畑仕事から足が遠のき枯れススキの原になったのだろう。やがてそれが畑の自然死となって元の自然に還る循環なのだろうか。枯れススキの原が野生動物の棲みかにならないことを願っているのだが。
コメント (2)
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