今日から暦の上の立冬で冬が始まる。立冬という言葉は何か厳しい響きを感じるが、明け方は冷え込むが寒いというほどではなく、日中は穏やかな日差しで公園を散策する人も多かった。カメラを2台3台と持ったアマカメラマンの姿を多く見た。狙いは紅葉谷公園だが、作品にするにはモミジやイチョウの色変わりが物足りない。それにしてもすごい装備でのお出ましに驚く。
「立冬に変わり『冬はじまる、冬来る、冬に入る』などと使うと、静かにしみじみと冬の来たのう『うべなう』思いが感じられる」。立冬について書かれた一文が目に留まった。このなかの「うべなう」という言葉に初めて接した。うべなうは「諾う」と書き「いかにももっともだと思って承知する、承諾する(広辞苑)」、明鏡国語辞典では「承知する、同意する」とある。ここでは広辞苑に軍配。
「今朝の冬」、これは立冬の日の朝をあらわし季語になっている。紅葉までもう一息のなかで、冬らしさを感じたのは赤茶けた草紅葉の一角。以前は一面という広がりで楽しませてくれた草紅葉、河川改修などでその居所を追い出され失い、狭い範囲でしか見られなくなった。いつか復活しそのたくましさを見せて欲しい。
暦では冬入りだが、日本のはるか南の太平洋では台風23号(ハーロン)が発達している。これは15号や19号より強い勢力で、今年最強で、まだ発達しており史上最強となる観測もあるとか。冬入りなのに強大な台風、北海道では冠雪、どんな冬到来になるのか、温暖化の影響なら止める手立ては人間の知恵しかない。