日々のことを徒然に

地域や仲間とのふれあいの中で何かを発信出来るよう学びます

珈琲

2013年05月22日 | 回想
            

 サラリーマン後半は仕事でもコーヒーをよく飲んだ。打ち合わせ、相談、お願い、調整、打診、伝達などなど多くの職場に出かけていた。文字にすればみんな同じ用件に見えるが、用件ごとに内容は微妙に違っていた。突発もあったが約束して出向くことの方が多かった。

 どこの職場にも懇親会費で備えられたコーヒーがある。それをいただく事が話しの始まりだった。多い日には10杯くらい飲む日もあっただろう。嫌いではないので断ったことはない。コーヒーといってもインスタント、だが、数は少ないがドリップ式の職場もあった。味はそれぞれ違ったがドリップ式に軍配を上げた。自分は濃いめを好んだ。

 「コーヒーを寝る前に飲むと眠れない」、多くの人から聞いたのでこの話は本当なのだろう。と思うが、「1日が終わった」という区切れで飲んでいた。それがいつしか習慣になり、飲んで寝るがことが癖になった。変な話だがコーヒーが睡眠導入剤の役目を果たしてくれたのかもしれない。ほかの人と何か違うんだ、そんな意識をしながら「眠れない」に話を合わせたことはよくあった。

 今は茶葉の収穫時期、季節の風物として産地では賑わいが見られる。子どものころは畑周りの茶葉を摘み、茹でて揉んで干して自家用のお茶になっていた。薬草も煎じてお茶代わになった。ペットボトルなんて夢にも無いころには、畑にやかんを持って出かけていた。そんな時代を過ごしてきた母が、「朝食はパンとコーヒー」に変り、食間のお茶もコーヒーになった。時代に遅れまいとしたのか、コーヒーに魅せられたのか、美味そうに飲んでいた。

 先日、お訪ねした家でサイフォンでたてたコーヒーをいただいた。サイフォン、この前はいつサイフォンコーヒーを味わったか思い出せない。水が上がって下がる、理科の理論を実験する器具そのままなのに、コーヒー豆のひき具合、抽出の時間調整で味を操作できるという優れもの。母はこうした上等なコーヒーを飲んだことはない。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする