みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

しかし、主によって奮い立った

2019年05月28日 | サムエル記第一

サムエル記第一 30章

 薔薇の美しい頃です。近所を歩くと庭先に色とりどりの薔薇が…。道路沿いには野薔薇が植えられているので、今は周り中に薔薇が見えます。

 ツィケラグは、元々はユダ部族への割当地でしたが後(のち)にはペリシテの支配下になり、さらにペリシテのガテの王アキシュがダビデに与えた町です。ダビデはペリシテの諸王の猛反対でイスラエルとの戦いにペリシテ側として出陣することを免れ、この町に戻って来ました。

 ところがアマレク人に襲われて、町は焼き払われ、ダビデの妻をはじめ女たちや子どもたちが連れ去られてしまったのです。この時にダビデがどのようであったかは6節に明らかです。

 「ダビデは大変な苦境に立たされた」ということばが心に留まります。この時ダビデは、自分の妻たちが連れ去られたということだけでなく、自分について来てくれた兵たちにいのちを取られるかもしれないという危機の中にいたのです。兵士たちはこれまで、ダビデを信頼してついて来ました。家族も一緒に…。けれども家族が連れ去られたこの時に持って行きようのない悲しみと怒りを、ダビデにぶつけたのです。

 踏ん張りどころの彼は、同じ6節の後半のことばによると、「しかし、ダビデは自分の神、主によって奮い立った」のです。ダビデは神に聞いてペリシテに逃れたのではありませんでした。ダビデがアキシュの元にいたときも、嘘を重ねてきました。この間ダビデが神に聞いたということも神がダビデにお語りになったということも、聖書は記しません。神は黙っておられたのです。

 ダビデは安堵しながらツィケラグに戻ったのではないかと想像します。けれども神は、ダビデにツィケラグで試練を用意しておられました。それは、彼が再び神との結びつきを生きたものにするための試練だったと思うのです。

 ダビデは、大変な苦境の中で神とのつながりを回復することが許されました。じつはダビデにとっての大変な苦境とは、神との結びつきを欠いていたことなのだ、と思わされます。


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