みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

知恵の背後に神を認める

2021年07月02日 | 歴代誌第二

歴代誌第二 9章1−12節

 長い間いっしょに「みことばの光」の編集に携わってこられた方が、「引退」されました。編集という働きが何か、ほとんど分からずにいた者に、届くことばとはどのようなものなのかは、その方によって教えられてきたと思います。「こういう表現をすると伝わる!」という感動を何度味わったことでしょうか。

 ソロモンの名声が広く周辺に鳴り響いていたということは、シェバの女王の訪問が語っています。国の君主が他国を訪ねる折りに自国を大きく伝えようとするのは、昔も今も同じではないかと女王が携えて来た多くのものから分かります。

 女王がなぜ遠路ソロモンを訪ねたかが1節に記されています。「ソロモンの名声を聞いた」からです。そして、女王は貴金属類だけでなく、非常に多くの従者を率いて来たとあります。「難問を持ってソロモンを試そうと」とあることから、特にソロモンの秀でた知恵がどれほどのものかをこの目で確かめようとしたのです。

 女王はソロモンの知恵に驚き、その知恵を授けた主、神がほめたたえられるようにと言っています。異国の為政者はソロモンの知恵と神とを結びつけたのです。ソロモンと自分は比ぶべくもありません。それでも、自分の何かを通して人が神を思い、神をほめたたえるというのは、キリストを信じる者誰もがそうでありたいと願うことではないでしょうか。

 私たちは、ソロモンの「この後」を知っているので、女王が望むままの物をソロモンが気前よく与えたということに引っ掛かりをおぼえます。せっかく女王が神をほめたたえたにも関わらず、彼は自分の大きさを示そうとしたのかもしれないと…。


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