みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

忘れたのか

2015年11月14日 | エレミヤ書

エレミヤ書 44章1−14節

 この章は、エレミヤが生涯最後に届けた預言のことばだと考えられます。エレミヤは、自分から好んでエジプトに来たのではありません。歴史に「もし…」があってはならないと言いますが、それでもあえて言うならば、バビロンに行っていれば、彼は英雄の一人として、王や高官の愛顧を受けて穏やかな晩年を迎えられたのだと思います。

 ところが今、エレミヤはエジプトにいるのです。しかも、連れて来られているのです。さらに彼はここでも神からのことばをエジプトに渡ってきた同胞に語らなければなりません。しかもそのことばは、彼らの罪を指摘する厳しいものです。歳をとったから少しは柔らかなことを言うのだろうかと思うとそうではありません。変わらずに神のことばだけを人々に届けているのです。

 内容は聞く者たちには厳しいものです。どこに行こうがあなたがたの神への態度を変えないかぎり同じだというのですから…。何かがうまく行かないと、道具を変えよう、場所を変えよう、仕事を変えよう、相手を変えようなどと考えます。けれども、たいせつなのはその人自身を内側から変えること。

 「二度と失敗は繰り返しません」と言いながら、何十年も、いや何千にもわたって同じ愚かさを繰り返しているのが私たちです。歴史から多くを教えられるのは、人間の基本は何も変わらないからだと思うのです。


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