魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

ガソリン(2)

2010年07月25日 | 自動車人間学

No.977

ガソリンは子供の星だから、結局、何をやっても大人(一般人)に愛される。
子供は大人の思いつかないようなことに着眼するが、一方では大人を超えるものではない。ヒラメキはあっても現実感がないからだ。

大阪の橋下知事は、機能不全に陥っていた大阪府を活性化させた。
発言は一々もっともで、賛同できる。
ところが、夢をさらに前進させようとすれば、抵抗勢力の根は絶ちがたく、府政に苦労している。

名古屋市の河村たかし市長ハンドルも、抵抗勢力に直面しているが、中央集権の下部組織として、お茶を濁してきた地方議員に、身を切る新しい形を提案すれば、全員を敵に回すことは何処も同じだ。

抵抗勢力に出会ったとき、他のタイプならどこかで現実的な落としどころを考えるが、ガソリンは妥協ということができない。白か黒だ。
ガソリンは一度思い込むと、客観性を持てなくなる。
大人の自制心がないから、比較検討、再考、妥協ができず、思い込みを修正できない。

状況的にやむを得ず、意思表明を隠すことはあるが、一念はますます膨張して、こだわりや恨みになる。

小泉郵政改革は、郵政への恨みからだとも言われているし、手塚治虫は「何で自分の漫画が、劇画なんかに負けるんだ」と泣いて悔しがった。ヒトラーがユダヤ人に執拗な敵意を抱いた理由は不明だが、案外ちょっとした個人的経験からではないかと思われる。また、林真須美も何で凶行に及んだかよく理由は分からないが、ほんのちょっとした経緯からだろう。

多くの子供は、何かを買って欲しいとなると、大人がどんなにもっといい物を勧めても、執拗にそれにこだわり続ける。これも客観性ができていないからだ。

小泉首相もヒトラーも橋下知事も、情熱的な演説が上手く、支持する人は熱狂的になりやすい。ヒラメキが多くの人をその気にさせるし、第一、可愛げがある。

今、橋下知事の行動を、生かすも殺すも、大阪府民次第だ。
子供のヒラメキを参考にして、大人が出直すなら、大いに役に立つ。
小泉改革に全面的追随するのではなく、あれをきっかけにして、各方面が目覚め、より改革を推し進めるなら意味があったが、全面お任せでは破綻する。それを良く知っていたのも小泉元首相であり、ヒトラーより立派なのは(あるいは凡人なのか)自分で辞めた。

橋下知事に全面的に付いていくのではなく、府民が意図を汲んで、現実路線に転換すればいいのだが、選挙政治というものは、根本的にお任せだから、結局は暴走か失墜にたどり着く。
ヒトラーも選挙で支持された。

ヒトラーのどこか子供っぽいマザコン的な髪型と風貌。それが、当時は「愛された」のだが、小泉元総理や橋下知事の風貌に、どこか共通性があることにお気づきだろうか。

ガソリン(1)