冬至からもう半月、明らかに日が長くなり、着々と夏至へと向かっている。
1年前、2017年は2018年の前の年だと書いたが、実際、イライラすることばかりで、500年後の年表に記録されるようなこともなかった。
だが、いよいよその年がやって来た。2018年は年表に記録される年になるだろう。
冥王星と土星が始めから山羊座に鎮座しているだけで、圧倒されるような年だ。
冥王星250年の大転換は人類の生き方を根底的に変える。プロメテウスの火が動物を人に変えた時から、人類を変えるのは常にエネルギーだった。
食料もエネルギーだが、道具としてのエネルギーも、今、化石燃料からの大転換が始まっている。
この時期を経て、人類はクリーンエネルギーとAIの、スマート社会にパラダイムシフトしていくだろう。250年前に馬や牛から駆動エンジンに変わったように。
原子力発電さえ、蒸気機関から何も進んではいない、過去の発想だ。来たるべき世界は、何かを燃やして生まれたエネルギーを間接的に力に変えるのではなく、電気のように、直接的な力が全てを動かすようになり、人工知能がそれをコントロールする。
こうした大転換の時には、必ず時代に取り残され淘汰されていく者達がいる。200年前に馬車から降りなかった人のように。
過去の発想、過去のシステムをいち早く捨てたものが次の時代を支配する。
化石燃料からの脱皮
日本のように、産業革命パラダイムで成功した国ほど、取り残される危険がある。裸の人間は新しい服を着られるが、古い衣服をまとった者は、先ずは脱がなければならない。原子力や火力発電にこだわり、新エネルギー活用を妨害しようとする勢力は、もはや、破り捨てられるべき古い皮だ。今は、一刻を争っている。
当然、脱皮した新しい身体はモロく弱々しいが、やがて以前より強く大きな身体となる。だがもし、脱皮できなければ、死ぬしかない。
日本が脱ぎ捨てるべき「産業革命パラダイムの古い衣」とは、原発だけではない。
学校、婚姻、仕事、税・・・など、今や国民誰もが信じ込んでいる、古いシステム概念だ。
これらは、産業革命とともに西欧先進国からもたらされた概念であり、日本はそれを成功させ過ぎた状態にある。一夫一婦制にしても、キリスト教にもとづく概念であり、婚姻を前提とする出産など、当の欧米がそれを捨てつつある。
産革パラダイムがもたらしたのは労働の変革であり、家族や地域からの開放、ジェンダーの解放、そして、キリスト教の呪縛からの解放でもある。日本はいつまで後生大事に、キリスト教の呪縛を守るのか。
携帯電話は先進国より、開発途上国の方が普及が早かった。架線のインフラが無かったからだ。同様に、太陽電池も開発途上国の方が普及が早い。中国や韓国が、一気に生産力を高めたのも、既存の経済環境が無い発展途上国だったからだ。
その中国では、クリーンエネルギーやキャッシュレス社会、シェア自転車のように、先進国のアイデアを果敢に取り入れ、一気に本家を出し抜こうとしている。
こうした未来型システムの場で、日本はどんどん取り残されている。中国が率先して世界を塗り替えるのなら、それ自体は素晴らしいことでどんどんやってもらいたいが、残念なことに中国共産党は、それを古代帝国の発想で進めている。
新しいパラダイムを古代帝国にゆだねるのか、産業革命の先進国が再び開拓できるのか、山羊座の冥王星と土星。さらに、2019年末には、木星まで加わって、大転換の扉が音を立てて開くだろう。今年はそのドアをノックする音が響く年だ。