魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

やられた

2010年10月31日 | 日記・エッセイ・コラム

ズーッと言っているのに、日本には、ほんとうに泣きたくなる。
また、やられた

二輪サイズの四輪車
アメリカで、個人が手作りで売り出したら、セレブ達に大人気。
前後二人乗りの電気自動車「タンゴ」
一台900万で予約殺到だそうだ

開発した理由も仕様も、何年も前からこのブログで言っている通りのものではないか

トヨタがテスラと提携したことを取り上げて、スズキと提携か、と見る向きもあるが、小型車に冷たいトヨタと違い、スズキは昔から開発しているし、日産は昨年「EVランドグライダー」を提示している。

問題は、日本企業の老化による「勇気」の無さだ。
なんで、絶対安全パイしか振り出そうとしないのか

創業トップ交替や、社会全体の保守化・・・言い出せばきりがないが、
捨て身の韓国に、素早く、パクリ先行販売されて、慌てても、後の祭り、
挙げ句の果てに、「韓国に見習おう」などと、寝とぼけている。

日本には、技術もアイデアも充満しているが、企業家と政治家に慧眼と主体性がないから、全て、泥棒の宝島になる。
(タンゴも、ランドグライダーの後だ)

また、社会も保守化しているから、個人や町工場が変わった物を作っても、誰も買わない。

今からでも遅くない。スズキ、日産、ガンバレ たのむから・・・

二輪サイズの四輪車」、「GOGO!ニッサン

P.S.
この翌日、11月1日。ニッサンが「ニッサンニューモビリティコンセプト」と言う、いかにもコンセプトカーらしい、長い名前の2人乗りモデルを発表した。共同開発したルノーが、1月前に発表したものだ。
ITによる公共交通システムとの連携を意識しているのは良いのだが、
「タンゴ」の幅1m、最高速200㎞以上に対して、
幅が1.2m、最高速75㎞と、文字通り、コンセプトカー。
なぜ、1mにできないのだろう。
第一、今頃、コンセプトカーの段階とは・・・


徳川家康 2

2010年10月30日 | 新鎖国論

徳川家康は12月26日生まれだが、太陽暦では1月31日で水瓶座だ。
水瓶座も山羊座も、元来、支配星は土星で、家康も土星の人となる。
坂本龍馬は11月15日だが、これも1月3日で山羊座の土星だ。演じている福山雅治も水瓶座。

「坂の上の雲」の秋山好古は太陽暦2月9日の水瓶座。
秋山真之は牡羊座。正岡子規は天秤座。二つの星座とも現在、土星の影響を受けていることは、今さら言うまでもない。

歴史は元々、時を司る土星の仕事だが、天秤座の日本に土星が来ると、大河ドラマには土星の人が登場して、一世を風靡する。
これを偶然と考えたのでは、占いは成り立たない。
小説・徳川家康の連載も、やはり土星が天秤座に来た昭和25年に始まっている。

土星は、時代のターニングポイントに影響する
山羊座・水瓶座は、十二支では丑寅の季節であり、丑寅は一年の入れ替わりの季節から、代替わり=世代交代の時を表す。

山羊座・水瓶座に惑星が来ると、その惑星の周期に応じた「転換」が起こる。逆に、土星が訪れた星座の人物や事柄に、やはり「転換」が起こる。

周期250年の冥王星が山羊座に来た今、産業革命パラダイムの「大転換」が起こっていることは、繰り返し話しているが、
周期30年の土星が天秤座に来ると、天秤座の人や天秤座の日本は方針転換を余儀なくされる。

還暦60年では、上昇の30年と下降の30年と、土星が2回転する。
60年前の昭和25年の土星天秤座から上昇し、30年前から反転下降。
今回、「どん底」に到来した土星は、中韓の経済攻勢や、尖閣問題で、おそらく、日本人を覚醒させるだろう。

戦後日本の高度成長パラダイムは、根底から転換せざるを得ない。
戦後、農業から貿易工業に人口移動し、工業で農業を養ってきた日本の生き方を、全面転換しなければならなくなった。

TPP問題は日本のターニングポイント
しかし、どこに向かうのか、政治家にはヴィジョンが無い。
農業を捨てて、工業立国に再挑戦するのか・・・
農業を工業と並ぶ輸出産業とするのか・・・
議論は、いつも、過去を前提とした話しばかりだ。

しかし、今こそ、全く新しい概念が無ければ、日本という国はここで滅ぶ。(世界に国が無くなるというなら、それはそれで歓迎だが)

またまた、自論
日本は今こそ、島国の鎖国精神を目覚めさせ、グローバリズムから一線を画して、「独特の日本」を徹底的に築きあげるといい。

工業技術は簡単にパクられるが、手仕事や感性は簡単にはマネできない。ハイテクは機密保持し、技術移転などしない。工業会社は海外移転し、食料は完全自給する。
完全な自由貿易となっても、国内の地産地消を奨励するため、輸入食品は特定の業者でなければ扱えないようにし、複雑で厳格なルールを設けて、結果的に割に合わない商売とする。
知恵を絞れば、恐れることはない。輸入品の浸食は防げるはずだ。

加工貿易から足を洗い、GDP決別宣言をして、開国以前のような蓬莱の島、「徳」の日本に帰りたい。
芸能、観光、医療、学術で立国し、雇用創出をする。国際会議場や情報センターを誘致して、将来の地球の首都をめざす。

牡羊座のイギリスがルール創りとリーダーシップに長けているなら、
その真反対の天秤座の日本は、受け身の接客術を発揮したい。


徳川家康 1

2010年10月29日 | 日記・エッセイ・コラム

山岡荘八の徳川家康を読んだのは小6の時だった。祖母の本棚にあったので、読み始めたら面白く、訳のわからないまま、そこにあった全巻を読んでしまった。(まだ完結していなかった)

徳川家康の連載が始まったのは昭和25年。ちょうど高度成長と歩調を合わせて連載され、経済立国を目指す、日本人の心の支えとなった。

一方、大河ドラマ「徳川家康」の放映は、終戦から38年目の昭和58年=1983年であり、日本の絶頂期であったが、
その後27年間。バブルを経て、日本は沈みっぱなしとなる。

大河ドラマは、日本経済の応援歌のような存在だったが、その絶頂期に、時代劇シリーズ総仕上げとして、「徳川家康」が放映されたことは、今にして思えば、極めて意味深い。

「徳川家康」は、それまでの応援歌としての大河ドラマとは違い、
戦後の苦難を乗り越えた日本人が、登って来た坂を振り返り、
『ようやったなあ』と、自賛の余韻に浸るドラマだったのではなかろうか。(つまり、高度成長の緊張感が、ここで途切れてしまった)
その後、日本人は、すっかり我を忘れてしまう。

土星の到来。土星の人「家康」
「徳川家康」放映の3年前から、土星は天秤座に来ている。つまり制作の機運は、天秤座の土星で起こっていた。
今、同じ天秤座の土星の時、坂本龍馬がヒットしているが、龍馬は家康と違い、功成り名遂げることなく、横死する。来年予定の「江」も家康と同じ戦国時代だが、歴史の中心人物ではない。

日本の絶頂期の土星・天秤座では、功成り名遂げた家康のドラマだったのに対し、どん底の今は、歴史の礎となって浮かばれることの無かった人物が主人公だ。
これは、同じ土星でも、国民の覚悟や意志が、真反対に向かっていることを表す指標と言えなくもない。

暗い時代だが、やはり今は一陽来復、春に向かって歩き始める時のようだ。(日本の輪廻

ふと、このことを思いだして、DVD「徳川家康」を借りてきて観始めたが、やはり、面白い。俳優がみな若く、これも見所だ。

この作品で、信長役の役所広司は一躍有名になったが、どうも好きになれない。平凡な個性をハイテンションで無理にインパクトを出そうとする演技は、竹中直人など、その後の役者の主流になったが、これも現実感の喪失。サイバー時代、無菌室時代の、一つの現象だろう。

信長と言えば、無表情な緒形直人もなかなか良かったし、何と言っても高橋幸治は永遠の信長役者だ。しかし、本当の信長はきっと、織田信成君のようなナイーブな人物だったに違いないと信じている。


新型文明

2010年10月23日 | 日記・エッセイ・コラム

近頃、ブレーキとアクセルのふみ間違いが問題になっているそうだ。
「何を、今頃?!」

18の時、自動車教習所で、真っ先に驚いたのは、ブレーキペダルとアクセルペダルの、紛らわしいことだった。
『何で、こんなヤヤコシイ所にあるんだろう?』そう、驚いたせいか、これに関するウッカリや、ヒヤットは経験がない。
(他のウッカリは、しょっちゅうだが)

余談だが、仏文科の友人が教習所で、教官に「brake」を指して
「この、ブラックって何ですか?」
・・・大いに、バカにされたそうだ。

ブレーキとアクセルが近ければ、「ヒル・アンド・トゥ」ができる、と言う説得力も、オートマ時代には無意味になった。
にもかかわらず、自動車の「様式」として、頑固に並べられてきた。

解消法はいくらでもある。
例えば、バイクのようにアクセルを手元にする。この場合、アクセルはボタン式とし、ブレーキが踏まれないかぎり、落ちることがないとすれば、ハンドル操作に問題はない。

ところが、トヨタの問題が起こってからも、アクセル配置はそのままの前提で、あれこれ対策案が出ている。固定概念は恐ろしい。

第一、とっくの昔に、完全自動操縦は可能になっているのに、頑固に人間に運転させようとしている。(自動運転
先日、ようやくGoogleが自動運転の実験をしていると話題になっていたが、その気になれば、いかに簡単であるかの証明に過ぎない。

問題は、自動車の製造者と政治家の頭の固さにある。
もちろん一般常識も問題だ。オートマが出た頃、あれほど抵抗があったが、今ではすっかりオートマになっている。
何より、製造者の革新性が最も重要ということだ。

高齢化で、これからますます、人間による運転は危険になる。
少なくとも、高速道路などの専用道路では、コンピューター制御による自動操縦で走れるようにすべきだし、そうでなくても、個々の自動車を完全自動制御に変えることは、それほど難しいことではないはずだ。人間と比べれば、よほど確かな運転をするだろう。
この問題は、政治家にかかっている。(車が無くても

しかし、何よりも重要なことは
徹底した、公共交通の充実だ。
高速鉄道と域内鉄道に、交通管制による無人電動カート・タクシーなど、自動車の無い未来社会を前提に、根本的に考え直す必要がある。
アメリカ方式の自動車社会を転換させる未来産業は、狭い日本だからこそ、可能なのだ


リーダーシップ

2010年10月22日 | 星の流れに

暗い世界情勢の中で、チリの鉱山救出は、ささやかな灯となった。
素晴らしいことには違いないが、これは、不幸中の幸いで、元々、問題があるから起こったことなのに、何か、意図して素晴らしいことが起こったように錯覚する。

人間とは、やはり、自ら道を定められない動物なのだろう。
宇宙や世界平和への道よりも、自然現象に、対応・処置することに、より力を発揮する。たとえ、ずさんな鉱山経営で、自ら引き起こした災いの後始末であってもだ。

今回の事故も牡羊座に影響されているのは明らかだ。救出劇の鍵となったのは、被災者の中にしっかりした「リーダー」が居たからだと言われている。(牡羊座時代

ところで、チリは、何座か良くわからない。
山岳地帯の印象や、南米の最南端まで突き出している形から見ても山羊座だが、長い海岸線に注目すれば、真反対のカニ座になる。
しかし、南米の中では、比較的独立独歩の歴史を歩んだことや、意外にイギリスやドイツと縁が深いことなどからすれば、牡羊座と考えられなくもない。

チリ地震が、遠く離れた対角線上の日本にまで、被害をもたらしたことや、チリの歴史の大きな動きが、牡羊座や天秤座の星の動きに連動しているところを見ると、やはり牡羊座に影響されているようだ。
加えて、今回の「目立つ現象」が起こったことで、より牡羊座の疑いが強くなった。
しかも、事故は銅山で起こったし、チリは銅の採掘量世界一で、銅は牡羊座の金属だ。

南米全体としては射手座だが、天秤座の日本の東京は乙女座と、各地域にも星座があるように、南米の中で、チリは活動宮であることは違いない。どの活動宮かは測りかねるが、天秤座ではなさそうだ。

リニア中央新幹線
直進ルートに決まりそうだ。当然のことだ。
地域自治体が自分の所を通して駅を作れと主張するのは、自分の家の廊下に高速道路のICを作れと言っているようなものだ。
リニア新幹線の意味が解っていない。

明治からの鉄道が、地域を繋ぐ生活道だったのに対し、リニア新幹線はバイパスだ。一県に一駅さえ、リニアの価値を削ぐ。
飛行機に、最寄り飛行場に全部降りろと言っているようなもので、甚だしいロスだ。

リニア新幹線の意味は、日本列島・東西の圧縮であり、全域の物流平等化だ。日本全域に情報物流の均等なチャンスを広げることであり、リニアが通る地域の為に走らせるのではない。
かと言って、通過地域に無意味かと言えば、間接的に東西物流の膨大な恩恵が生ずる。(東西中部の一体化)

大転換によって、「街道筋の宿場町」の発想を捨てなければならない時が来ているのだが、有料道路や年金、所得税のように、目の前で直接つじつまが合わなければ理解できない狭視野が、日本を停滞させている。

日本が生まれ変わるには「なりふり」構わず「損して得取れ」の発想が必要だ。
事業仕分けもいいが、徹底した規制緩和の方が急がれる。
楽市楽座は、信長でなければできまい。官僚には無理な話しだ。


先見の明

2010年10月14日 | 星の流れに

冷戦の始まりは1947年の、トルーマン・ドクトリンだった。
そして、事の起こりは、その42年前のロシア革命だった。
天王星の84年周期と、その折り返し点の42年目は、歴史の現在と未来に大きな示唆を与える。(天王星の84年周期

現在の中国の行動の、意味と将来を考える場合、42年前と84年前の状況を振り返ってみる必要がある。

記憶に新しい42年前は、文化大革命であり、84年前は毛沢東の武力政権の決意だ。

42年前、1967~8年は、現在の惑星とまったく逆の位置で、土星が牡羊座で、天王星と木星が天秤座に入った時だ。
84年前、1927年は、今年と同じで、天王星と木星が牡羊座だった。

共産党軍事政権の始まりは、この1927年、蒋介石の共産党弾圧から、毛沢東が軍事政権樹立の意志を固めたことに始まる。
その後、共産党軍事政権の樹立に成功したものの、政権運営に失敗し、革命の夢よもう一度と、試みたのが文化大革命だ。

一つの方式がターニングポイントを迎えるのが、42年目であり、その方式が完全に潰えるには、さらに42年かかる。
ということは、今回の中国の暴走は、毛沢東共産党軍方式84年目の、最後の悪あがきということになる。

同時に、文化革命によって、逆に芽生えた民主化と開放政策の意志が、ピークを迎える時でもある。
軍一党独裁が終わると共に、開放政策も行き詰まり、次の方式が芽生え始める。

当然、軍一党独裁がスッと消えて無くなるわけではない。断末魔の大暴れをして、結果的に無くなるということだ。
最も参考になるのは、ソ連邦崩壊だ。軍拡の果ての経済破綻によって、いわば内部崩壊したわけだが、中国の場合はむしろ、経済はうまくいっている。(ように見える)
つまり、ここが、中国のアキレス腱になりそうだ。

軍事国家の経済拡大は自動的に軍拡につながる。だから、経済力の発露も、軍事的な脅しという軍事パフォーマンスをともなう。
しかし、中国人の価値観は金であり、世界経済支配が究極の目的だ。

飯のため金のためなら、共産主義も資本主義も軍国主義も関係ない。
ネズミを捕る猫が発言権を持つ。
軍の存在が、経済活動にじゃまになれば、軍は内部で自滅する。

中国の時代
軍拡抑制の意味でも、中国を経済的に追い込む必要がある。
軍事力誇示により、世界的な信用を落とし、商売ができなくなれば、内部で、軍が立場を失うから、体制が変わることになる。

しかし、どうすれば中国を経済的に追い込むことができるのだろう。
アメリカのように、圧力をかければ、むしろ、軍の発言力を高めてしまうだろう。アメリカ自身の軍事力がちらつくからだ。
強制すれば、長子のプライドの中国は意地になる。かと言って、露骨に仲間はずれ宣言をしても意地になる。

中国を相手にせず、交易を進めればいいのだが、すでに、世界はすっかり中国に入り込まれて、打つ手がない・・・
かのように思えるが、そうでもない。

中国自身が露呈させたチャイナリスクによって、世界は静かに引いていく。それによって軍事国家の経済が衰退すれば、軍事一党独裁が崩れ、新しい体制が生まれることになる。

大転換の時代、軍事力に軍事力で対抗するのは下の下だ。
逆説的に言えば、中国が軍事独裁を捨てる時、本当の意味で中国の時代が来る。

孫子「上兵は謀を伐つ」とは、現代においては経済戦略のことであり、核戦争が不可能になった時代であればこそ、中国自身が「城を伐」ちたがる軍と、縁を切りたがっているのではなかろうか。

中国の時代が来るとすれば、軍政を克服した後だ。
先見の明とは、100年後の軍抜きの中国を見据える目であり、その過程を含めて、先読みをして対処していく智恵だ。


政治家 1

2010年10月11日 | 自動車人間学

このところ、改めて、政治家の資質とは何だろうと考える。

自動車人間学」で観ると、

シャーシ
 小沢一郎、岡田克也、前原誠司、安部晋三、温家宝、
 メドヴェージェフ、オバマ、ヒラリー・C

エンジン
  菅直人、仙石由人、森喜朗、麻生太郎、胡錦濤、
 プーチン

ガソリン、ハンドル、ボディーについては、次の機会にして、
現政権の性質を「決断と実行」という観点から観てみたい。
なお、自動車人間の5機能にも、様々なタイプがあるので、外見で本音を見誤らないように、注意が必要だ。

シャーシは「決断」であり、エンジンは「実行」だ。
刻々と変化する情勢に対処するには、常に「決断と実行」が要求される。いわゆる「男らしさ」とは、決断と実行であり、男のような性格だと言われる女の人は、この要素の強い人だ。

元来、シャーシは出たがりであり、行動より先に決断「宣言」をして見得を切る。とりあえず「約束」をするから、誰でも期待する。
しかし、裏付けがあっての話しではない。切羽詰まれば、次の「宣言」をする。
言語明瞭にして自信に満ち、迫力があるから。いかにも頼りがいがありそうだ。
オバマ大統領が熱烈に支持されたのも、小沢一郎が大物だと思われているのも、こうした態度からだ。
しかし、実際は、時間を追って観てみると、全くチャランポランのことを、そのつど、声高らかに堂々と「宣言」しているに過ぎない。

逆に、エンジンは言葉より実際の「行動」で処置することしか興味がない。だから、言葉がおろそかになる。説明や宣言をしているより、一刻も早く結果を出そうとする。
人前に出て見得を切ることには興味がないから、言葉があやふやで、説明が後回しになる。いつの間にかチョロチョロ行動しているので、「言を左右にして、独断専行する」と非難される。
気負わない気さくな態度も、いい加減で頼りない、と思われる。
森、麻生・・・共に、言葉使いが命取りになった。

政治家として、シャーシとエンジンは、「やるやる詐欺とむっつり助平」。どっちがマシかという問題だ。
菅総理は「有言実行内閣」だと自称したが、「有言」の方は語呂合わせで、本音は「実行内閣」と言いたいのだろう。
何しろ、菅直人、仙石由人ともにエンジンだ。何の説明もなく、どんどん事を進めていく。

面白いのは、中国でもロシアでも、表に立っているのはシャーシで、影で動くエンジンの行動はあまり見えない。

民主党の場合、岡田、前原のシャーシが表に立って、菅、仙石は黙々と仕事をすればいいのだが、逆に、前原が「実務」でやってしまったのが、中国船員の拘留だ。(歴史的大失態)

日本の政治の仕組みもあって、エンジンが何でも気さくに出てきて、気楽な発言をするから「言葉に重みがない」と非難される。本音は『やりゃあ、いいんだろ』と思っているからだ。

しかし、自分が処置してまわるだけが、政治家の仕事ではない。
言葉で、国民を勇気づけ、やる気を出させるのもリーダーの仕事だ。かと言って、景気の良いことを言うばかりで、一向に結果が出なければ、国民はより深く傷つき、怒りに変わる。

菅政権には、実行を説明する「有言」の力が必要だ。

→「政治家 2


心の金持

2010年10月10日 | 日記・エッセイ・コラム

民族や国家など、人為的な幻想に生きている限り、人類は不幸だ。
領土だ、国益だと、争うのは、本当に、無駄なことだと思う。

しかし、隣村と殺し合いをしていた時代は、人類史的にはそれほど昔のことでもないし、ジャングルの奥では、いまだにそんな暮らしをしている人々もいる。
それどころか今、この時代でも、昨日まで文明的な暮らしをしていた人々が、ある日突然、古代信仰にとりつかれて、殺し合いを始める。

他人事ではない。日本の中にも、火遊びをしたい人は少なくない。

現代文明を極めた、この日本においてさえ、原始の香りが漂っているのだから、ようやく現代文明を手にしたばかりの人々が、古代思考にとりつかれているのは、当然のことかも知れない。

古代人が、富と科学力を持てば、民族や国家という縄張り暴力装置に使うことしか思いつかない。

「金持ち喧嘩せず」と言うが、昨日まで食うや食わずだった人々の頭の中は、奪い合うことしかない。
つまり、富があっても、心が貧しいままの人を「成金」と言う。

手負いのオオカミ
いわゆる育ちが良い、生まれながらの金持ちは、むやみに喧嘩を仕掛けない。守るものがあれば、失うことを恐れる。他人と争わないために共存共栄を図ろうとするのは、我が身と財産を守りたいからだ。

ところが、ハングリー精神のままの「成金」は、争わないことが理解できない。生きることは闘争だと信じている。
金持ちの善意も、「スキだらけのバカなやつだ」としか思わない。
いわば、手負いのオオカミだ。どんなに優しくしても噛みついてくる。
もちろん言葉など通じない。

日本という国は、おそらく難民の寄り集まりでできた国ではないかと思うが、思いがけない豊葦原瑞穂のパラダイスで、長い時間をかけて、心の「金持ち」になった。
乱れる度に、「和をもって尊しとなす」人や「欣求浄土」を求める人が治めて、浄土の教えを行き渡らせた。

その金持ちの子、日本は、黒船ショックで捨て身となり、慣れぬ喧嘩をしてみたが、結局、大怪我をして、あらためて喧嘩嫌いになった。「もう喧嘩はしません」は、日本人にとっては有り難いことだった。

「本当は喧嘩嫌いの日本」を知らない「成金」達は、日本が自分達と同じことを考えていると思っている。
不幸なことに、日本が彼らの前に現れたのは、日本が最も日本らしくない時だった。また、そうでなければ現れることもなかった。

65年以上経っても、日本は彼ら自身を映し出す鏡として、ますます憎まれている。何を言っても何をしても、噛みついてくる。

国家や民族はいずれ無くなる時が来るとしても、悲しいことに、今は、手放しで抱き合える時ではない。勝手な思い込みで手を出せば大怪我をする。

去年、犬に噛まれたが、悪いのは犬ではない。自分の不注意に罪がある。


ジャイアン

2010年10月01日 | 日記・エッセイ・コラム

今回の件で、皆、中国は横暴でしたたかだと受け止めているが、買いかぶりすぎだろう。

星の観点から考えると、中国は「ビックリした」のが真相だ。
これまで、良いつもりでいたことが、突然、日本に裏切られた・・・
そう思ったと考えた方が、つじつまが合う。
(もちろん内情は複雑だが)

中国とすれば、勝手に自分の領土と宣言しても、日本が特に大きな抵抗もして来なかったので、そのうちズルズルと既成事実化しようとしていたら、ある日突然、日本が何の前触れもなく、バシャッと戸を閉めた。
『何だ、話が違うじゃネエか!』と、カッとなった。

日本からすれば、「当然だろう」と、思っても、これまでのおとなしさからすれば、「突然、態度が変わった」としか理解できない。

日本のこの態度は、A型のパターンだ。(占い人類学2
日頃、多少のことは波風を立てないように、我慢に我慢を重ねているが、ある時、ちょっとしたきっかけで、ブチぎれる。
B型やAB型には全く理解できないから、驚いて、逆ギレする。
殊にB型にとっては、文句はその都度、言うものだと思うから、大して怒らないA型が、内面で怒っているとは想像もできない。

中国は、カーッと逆ギレしたものの、興奮が冷めたら、状況が悪そうなので、どう引っ込むか、困っているのが実情だ。

この後、ほとぼりが冷めれば、B型はそれで終わったと思うが、周囲は敬遠するようになる。そして、いつの間にかのけ者にされる。
人なら、そこから出て行くが、国の場合は逃げないから・・・

ところで、中国も幼稚だが、日本も極楽ノビ太だ。
今回のようなトラブルを避けるために、中国的常識なら、まず、漁船の取り締まりを中国に申し込むべきだ。と考えていただろう。
「おたくの漁船がうちの領海に来て迷惑だから、来させないように取り締まってくれ」と言うのが筋だろう、と。(和冦の例)

その時、中国が「中国の領海だ」と言えば、そこから議論すべきで、今まで文句も言わなかったくせに、いきなり叩くのは失礼だろう。
「メンツをつぶされた!」と、逆上したわけだ。

逆上しての行動でなければ、中国もバカではないから、あそこまで、なりふり構わぬ行動はとれない。結果的に、中国としては「日本の策略にはめられた」とまで思うかも知れない。

元々おおざっぱなうえ、意気盛んな中国が、無神経になるのは解るが、状況を考えれば、日本はもっと用心深くなければならなかった。
しかし、何となく運が良い天秤座の日本は、今回も怪我の功名になりそうだ。
ただし、ことは始まったばかりだ。来年春までが正念場だが、決して幸運な時ではない。