トランプの存在は、世界にとって「一歩下がって三歩出る」ための「溜め」なのかも知れない。
何事も、極まれば転ずる、過ぎたるは及ばざるがごとし。
オバマに象徴されるような、理想先行の民主や平和が広がったことで、歪みが蔓延し、理想主義の善意のスキを、悪意で利用する勢力が現れた。
中国共産党のような覇権を目指す古代ゾンビ帝国が、アメリカの自由につけ込み、アメリカ内部にまで浸食を始めた。
人類統合の実験場アメリカ
人類の歴史は、血族集団、地域集団から、宗教や経済の文化集団に変質し、徐々に、カオス的な人類統合に向かっている。
新大陸は、その実験場であり、古代秩序の変革を働きかけてきた。
中でもアメリカは、キリスト教に始まったルツボに、ユダヤ教が加わり、イスラム教が加わり、大企業が育ち、様々な文化を世界に拡散していった。
この新時代の人類統合の試みに、抵抗勢力の旧秩序が食い込み始めている。中国共産党の使命を帯びた中国人留学生や新移民は、他集団のように、アメリカに溶け込むつもりはない。アメリカを牛耳るユダヤ人が、ユダヤ教のためにアメリカを利用するのに対し、中国共産党の「夢」は、アメリカの中華化、世界の中華統治だ。
世界に拡散したユダヤ人は、ユダヤ教においてユダヤ人であり続けたが、中国人は世界中に中華街を作った。山羊座のユダヤ、カニ座の中華。彼らは排他性(自己中)において同じだが、その手法は真逆だ。
ユダヤ人がアメリカで、文化的影響力を持ったのに対し、中国共産党の中華文明は政治支配を狙っている。これは反感で言うのではない。文明評としてそう理解せざるを得ない。
同じ山羊座とカニ座の例をあげれば、山羊座のインド人がアメリカにおいて学術文化の世界で活躍しているのに対し、カニ座のイタリア人は、マフィアでアメリカ経済にくい込んでいる。何れも、基本的にアメリカの文明を受け入れる気がない。
アメリカの目指す、人類の新しい秩序には、これらの「異物」は障害であり、放置すれば、アメリカを死に至らせるエイリアンとなる。
禁酒法を利用してマフィアが拡大した例もその一つだが、アメリカは幾度となく極端な理想主義で自ら暗黒時代を招き、立ち直ってきた。今考えると不思議に思えるが、アメリカがソビエトを支え、その反動として極端なレッドパージが起こった。今の、トランプ政権も、極端な理想主義に対する「必要な」バランス反動だ。
アメリカを一人の人間としてみると、やんちゃな幼児期、暴れん坊の少年記を経て、大きくなり、今は、中国との恋に敗れかけている青年のように見える。
アメリカ双六。オバマで三つ進んだら、トランプで一つ戻る。