魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

夏の盛り

2018年06月23日 | 日記・エッセイ・コラム

21日は夏至。毎年、同じように「えっ、もう夏至か!」と、時の早さに驚く。既に冬に向かい始めたのかと思うと、何かを無くしたような喪失感と、とりとめのない焦りを感じる。

夏至や冬至の昼夜の長さのピークより、その後の方が寒暖は厳しくなる。
運命の波も、惑星が表すピークや変わり目で、急に運が良くなったり悪くなったりするわけではない。もう、とっくに、幸運期は終わっているのに、傍目から見ると絶好調に見えるし、大抵の場合、本人も何も感じていない。しかし、環境は確実に変わっている。
そして、ある日突然、崩壊する。そうして、「山高ければ谷深し」となる。
絶好調の最中に、突然死する人。事件に巻き込まれる人。世間ではこれを「好事魔多し」と言い、「悪魔は細部に潜む」と恐れる。

ところが、まれに、絶好調の時に『これはおかしい!?』と察知する人がいる。
そして、サッサと店仕舞いをして、立ち去ってしまう。後には、絶好調のおこぼれを貰おうと集っていた人が、大崩壊の後始末をすることになる。相場などは、始めからこれを承知の上で仕掛ける人がいるが、数値化できない事業や人間関係の波を感じることが出来るのは、特別な才能だ。

しかし、波が去ったことを察知したとしても、サッサと立ち去る、決断と勇気を持った人はさらに、まれだ。
その上、誰かに声を掛けて、ともに逃げようとすると、相手に信じてもらえない。そこで情に拘泥すれば、やはり助からない。
運気が逆流を始めた時、本当に助かるのは、敏感で、さらに、非情な意思のある人だけだ。


人類進化

2018年06月21日 | 日記・エッセイ・コラム

またも親による、子の虐待死。やっぱり、虐待「Gメン」が必要だ。
どの虐待事件も、あまりにもかわいそうで、直視できない。昔はこんなことはなかったと言う意見を見聞するが、そんなことはない。昔はもっとひどかったかも知れない。様々な防止対策が注目される現代だから、明るみに出ているだけだ。

ただ、多くの目がある大家族の昔は、こんな一方的な虐待は起こりにくかった。家族の誰かが、なだめ役や引き留め役になったからだ。それでも、貧困による「まびき」や身売りがあり、ことに明治以前は、誘拐や人身売買が横行し、被害者は「神隠し」と理解するしかなかった。
芝居や、説話にも、「継子イジメ」や「嫁いびり」が多く、人身売買の「山椒大夫」など、幸せな人が「かわいそうだと思う事実」が存在した。
そんな時代ではない人権の現代、親による子供の虐待死が起こるのは、核家族化に法律が追いついていないからだ。

古来、子育ては、一族のささえを前提としていたが、核家族時代の今日も、この大家族観で、法と社会が営まれているために、大きな歪みが生まれる。
保育問題も、虐待問題も、さらに老後問題も、「家族が家族を扶養し、子供を育てる」大家族を前提にしているから起こる問題だ。
大家族を破壊した産業革命パラダイムは、人権意識を生むとともに、税と福祉、教育のシステム化を必要とした。社会のあり方を根本的に模索しなければならなくなったのだ。

大家族の消えた今となっては、「子は社会が育てるもの」であり、資格のある親だけが、子を育てることができる・・・そう考えるしかない。
これからは、親子の絆は当然ではない。社会が子供を育て弱者を保護をする。集団で子育てをする動物もいるが、人類はそれを社会システムとして、行わなければならなくなった。
家族や男女の情愛が、自然のもののように思えるのは、動物レベルであって、政略結婚や見合、婚姻制度と、既に人類は動物の段階を脱している。動物には、遠く離れた子供や家族に仕送りをするような、巨大社会は無い。
愛は自然に生まれるのではなく、社会システムに守られた中で、個と個が向かい合うことで生まれるもの。そう理解しなければならない時代が来ている。

「親が子を育てる」前提を捨て、愛情があり、要件を満たした者だけが、肉親と暮らすことができる、としても良いのではないか。
当然ながら、財産は個人間で相続しない。死ねば全て社会に戻される。社会が大きな家族となるからだ。これは、共産主義に似ているが、健常な成人の財産保有は自由であり、死ぬまで保証される。子供が社会に育てられる以上、子供に財産を残すために働くのではない。実際、社会のため、つまりは自分のために働く意識に、既に大きく変わりつつある。


福祉も社会制度も、その大きな流れを見据えて計画しなければ、全てが後手後手に回ってしまう。
児童虐待も、待機児童も、性差偏見も、空き家問題も、格差問題も・・・すべては、進化を念頭に置くビジョンが無いことに起因している。それが大げさだというのなら、せめて100年先を見据えた「今」を考える時ではなかろうか。


後を追う

2018年06月17日 | 星の流れに

長く冥王星と向かい合う中国は、得意の絶頂からゆるやかに衰退に向かい、土星によって総スカンを食らうことになる。今、アメリカが総スカンを食らっているように。

対座する星座に来る惑星が、その時、向かい合う相手になる。冥王星は文字通り「闇の帝王」手段を選ばない絶対的な力だ。これは、必ずしも具体的な相手ではない。20世紀末、冥王星と対峙したアメリカは、単独大国となり、絶対権力との付き合い方に苦労した。
頼られる反面、目の仇にされ、テロの対象となり、見えない相手に反撃して、立場を失った。
今、中国が向かい合っている冥王星も、その「大国」の夢であり、世界覇権だ。
AIIB、一帯一路、海洋軍事進出・・・世界覇権を目指す過程で、行動を誤れば、やはりアメリカの二の舞になる。

一方、過去3年余、アメリカは土星と対峙した。土星は「時間」、甘えを許さない現実、老獪、野心、天邪鬼、ビジネス、そして、山羊座そのものでもある。
アメリカは、老獪なビジネスマンを大統領に迎え、人種差別などの古い記憶を思い起こし、世界調和より、利己的現実を選んだ。
付き合う相手もイスラエルやインドにウエイトを置き、逆に、土星も意味するロシアとの仲が、「古い記憶」に足を引っぱられた。

土星が山羊座に移ると、今度は中国が、南シナ海で利己的現実に走り、毛沢東の古い記憶と、ロシアや北朝鮮という古い友達とよりを戻し、疎遠だった日本にも声を掛けている。
土星と向かい合うことは、「時間」、「野心」、「利害」と向かい合うことを意味している。
しかし、アメリカがそうであったように、土星に影響されると、調和を乱し孤独になる。

この状況の中で、最も派手なインパクトを与える天王星が、牡牛座に移った。
牡牛座はサソリ座の朝鮮半島に、「革命」や「革新」を意識させる。折しも「栄光」を表す木星がサソリ座にいて、「革新の栄光」が来た・・・と、朝鮮半島を興奮させている。金正恩の内心も、この星の刺激を受けているとすれば、本気で革新の意思を持っているはずだ。
ところが木星は、もうすぐ去る。秋には、革新を迫る世界の目だけが残る。これまでと何も変わらないのだが、「木星の夢」覚めやらぬ朝鮮半島には、厳しい落差だ。
それだけではない、ハプニングの天王星は、次々と困難を投げ込んでくる。日本が味わった7年のように。


笑う中国

2018年06月16日 | 星の流れに

米朝首脳会談は、文字通り、大山鳴動鼠一匹だった。
一見、金正恩の完全勝利だが、実体は習近平の完全勝利だ。会談でトランプ一行が向き合ったのは、習近平のマリオネットであり、何を交渉しようにも、黒幕には声が届かず、何もせずに立ち去るしかなかった。そして、習近平の勝利は、その影に身を潜めた金正恩、つまりは朝鮮そのものの、歴史的な「へたらない」生命力がある。

牡牛座の天王星とサソリ座の木星に、山羊座の土星・冥王星が、カニ座に大チャンスを与えている。今、中南海の習近平は大笑いをしているだろう。
しかし、今回のトランプのつまずきが、長い目で見ると、中国の敗北に通じることを、果たして中南海は認識しているだろうか。
トランプの甘い対応を非難する、感情的な「正論派」は、逆に、強攻論に走らざるを得なくなる。もちろん、その前にトランプ自身の反撃もある。

天王星が、牡牛座にあった80余年前、日独伊は絶好調でやりたい放題だった。そして、天王星が双子に移るや、一気に形勢は逆転した。

現在、カニ座の中国と、サソリ座の朝鮮半島は、最大級のチャンスに恵まれるが、これには、不安定要素が潜んでいる。
サソリ座の朝鮮半島の「相手」は天王星であり、全くの「予測不可能」を意味する。
カニ座の中国の「相手」は冥王星と土星であり、「暗黒」と「過去」を意味している。

解りやすい例をあげれば、日本とアメリカだ。
天秤座の日本の次は、サソリ座の朝鮮半島であり、双子座のアメリカの次は、カニ座の中国だからだ。各々、前の星座が体験したことを次の星座が体験する。
今、中国が迎えた状況は、オバマとトランプ時代のアメリカだ。オバマ時代に夢が空回りし、トランプで混乱した。中国は今回の米朝会談を含め、表向きは絶好調だが、数年で、この反動が来る。

一方、朝鮮半島は、過去7年、日本が味わった、ワケの解らない吉凶のルツボに落とされる。日本は対座する天王星によって、大震災、中韓の攻撃、好況・・・と、激しく振り回された。
その天王星が、今度はサソリ座に対座する牡牛座に移り、朝鮮半島が目まぐるしく動き出した。吉凶を一言で語れないような日本の状況が、朝鮮半島に移動した。


理想教会

2018年06月07日 | 日記・エッセイ・コラム

トランプの米朝会談中止表明に、北朝鮮が慌てた。これを見た反トランプ派は、トランプ流の駆け引きが「たまたま」当たった、怪我の功名だと苦笑いをしている。

トランプを支持するわけではない。しかし、未だにトランプを頭ごなしに否定するだけの人々は、冷静に反省すべきだろう。
トランプを生んだものは、皮肉にも、トランプを毛嫌いする、「理想主義の夢」だからだ。
トランプ誕生は、直接にはアメリカ白人の逆差別感だが、世界的にも、性善説の理想主義が行き過ぎたことにある。中国や北朝鮮のような、古代ゾンビ国家は、この世界のお花畑を徹底的に利用し、エイリアンのように、理想の皮を食い破ろうとしている。

北朝鮮が慌てたのは、これまで通用した、お花畑での子供だましが、突然、効果を失ったからだ。
曲がりなりにも長い平和の中で、理想主義とポピュリズムに埋没した、世界の政治家は、汚い北朝鮮や臭い中国にはフタをして、事なかれの儀式外交に浮かれていた。
ソ連崩壊で生まれたクリミアのような、いわば家庭の事情に、もっともらしい抗議はしても、長い植民地支配の結果生まれた、南シナ海のような根深い問題や、大戦争を覚悟しなければならない北朝鮮問題は、見てみないふりをし、あふれ出る膿に膏薬を貼り重ねるだけだった。

理想の教会、夢の聖歌
世界が、理想と形式に覆われてしまったのは、産業革命パラダイムの必然だ。
大量生産を担う手段として生まれた教育システムが、合理的改善は全て正しい進歩とする教条主義を生み出した。
世界を動かすのは、この教育のエリートであり、知識と論理さえ正しければ、必ず善である。そんな錯覚が、「認識のバブル」を生んでいる。

産革パラダイムは、定期的に経済バブルと恐慌を繰り返す。人間の欲望が、現実を無視した生産過剰を引き起こすからだが、同様に、自由や平和の願望もバブルを生む。
願望だけで求める善は、現実を無視して大きく膨らみ、ある時一気に崩壊する。経済バブルと認識バブルが崩壊する時、それが大戦争を招く。
現代もまた、国際組織による、人権や経済、平和に関する、現実無視の主張が膨らみ、世界の人々も、それを信じて疑わない。
禁煙、捕鯨、機会均等、核廃絶宣言・・・揚げれば切りがないのだが、世界を覆うこれらの大合唱は、現実無視の「理想バブル」だ。

トランプの出現は、この理想の教会に火を付けた。
世界が理想の聖歌に酔っている時、教会の外で古代ゾンビと無信心者が争い、その争いで教会に火がついた。教会の信者は静寂を乱す無信心者に怒り、迫るゾンビよりも、教会に来ない無信心者を攻撃している。
理想教会の信者が育てた魔物は、もはや教会の屋根を壊すほどになっているにもかかわらず、異次元の魔物より、無信心者を敵視し、争う魔物を味方と思おうとしている。
喧噪を巻き起こすトランプに怒る、理想教会の信者は、一度、外に出てみる時だ。異端のならず者トランプが、荒野で闘っている魔物を直視すれば、目が覚めるだろう。

しかし、このまま魔物の餌食になったとしても、自分を疑うことのない信者達は何も感じないだろう。実際、北朝鮮の人々も中国の人々も、自分たちが不幸だとは思っていない。
ある時は理想の歌に酔い、ある時は悪魔の弟子になる。それが人の歴史だ。
一度は捨てたはずの、恐ろしい奴隷支配に再び人類が生きることになったとしても、それは、少しも不思議なことではない。