野田佳彦新総理が生まれた。
以前、書きかけのメモに、
「野田佳彦と小沢一郎は同じ種類の顔をしている」
と、書いていた。
野田はかねてより政界では評判が良かった。初めて見た時、日本ではこういう顔が人気するんだろうなあと思ったが、尤もらしさの割に、言っていることは、当たり障りのないほとんどどうでも良いようなことだったから、まさか本当に首相になるとは思わなかった。
今回、自分のことを「どじょう」と卑下しながら、やる気を強調したのだが、英国の新聞は首相たる者が、自分を「どじょう」などと言ってはいけないと批判的だった。
日本人の好む「泥臭さ」は、英国紳士には理解されないようだ。
日本はやはり、潜在的にアジアの神秘性を好む。巨大な力は大自然にあり、人並み外れた力の持ち主は、人間離れをした顔をしている。
そんな「信仰」が、異形の人物には能力があると信じさせる。
兜町の風雲児とかオウム麻原のような風貌だと、教養のあるはずの人が簡単に信じてしまう。
髪もひげもボウボウにした姿を、秘境の仙人のように思うらしい。
敗残日本兵と同じ姿なのだが。
小沢批判をしてきたマスコミは、小沢の能力を信じ恐れている。だから、批判する。そのことが、むしろ小沢神話を膨らませ、小沢に付き従うものを増やし、それがまた力となってきた。偶像が偶像を生むスター神話。小沢は政界の光源氏なのだ。
そうした背景には、異形の顔の効果が大きい。小沢一郎の顔は怖そうだ。そして、野田佳彦もまた、異形であり、「どじょう」より雄鶏に近いが、小沢、野田ともに5月生まれだ。
野田は牡牛座で、木星が牡牛座に来た効果とも言えるが、前原も牡牛座なので、他の要因が影響している。
野田と小沢は、牡牛と双児だが、誕生日で言えば4日違い。(占いの要因は区切りで変わるものではなく、全体状況が影響する)
二人とも、若いときにはごく普通の顔をしているのに、40を過ぎるとみるみる変化して(それは誰でもだが)、二人とも立派な「異形」が完成した。
政界で活動するうちに、日本政治のエッセンスを吸収した結果が、あの顔を造り上げたのだろう。ある意味で、順応能力の高さを表すものだが、同時に、日本政治というものを象徴する顔とも言える。
今回の選挙演説でも、野田の言ったことは政策ではなく人情論だった。小沢も政策演説が上手くない。
異形とムニャムニャ言語。日本の政界はムード政治だ。言語明瞭は排斥されるから、「言ったような顔で何も言わない」で、ここぞと言うときに威嚇したり、標語を繰り返し叫ぶことが政治を動かす。
政治をしているような顔をしていることが、日本の政治家の仕事だ。
西の政治が苦境の日本を動かすと言ったのだが、政界好みは、また千葉だ。