現在の男社会では、女のリーダーは男以上に男原理を強いられる。
近くは、サッチャーのフォークランド戦争が記憶に新しい。
今年、アメリカは、初の女性大統領かアフリカ系大統領かが話題になっている。ヒラリーとオバマだ。
圧倒的に、ヒラリーが有利とされていたが、「能力が五分」なら、アメリカ人は「男」を選ぶだろう。
アメリカと言えば「ladies first」の国と思われているが、実はこれは「強い男が女を守る」という女性蔑視の欺瞞であり、アメリカは開拓魂に根ざす徹底的な男社会だ。(欧州の騎士道と微妙に違う)だからこそ、女性の権利が叫ばれる。
そういう原理が働く国で、女に頼ることは、国民の潜在意識が拒否をする。
やはり、腰に「一挺」下げてなければ不安なのだろう。
一方で、アメリカには狂信的人種差別者が存在する。アメリカのベクトルは、実は、自らのネガティブ・ベクトルを否定するために、反作用として表面化する。
女性運動もそうだが、宗教の自由や人権問題も、自分たちの恥部を否定するために、他国に対してまで声高に叫ぶ。
そのアメリカは、女性の権利を理由に戦争を仕掛けたことはないが、利害、宗教、人種差別では前科がある。
利害は言うまでもないが、イラク戦争などは本質的に宗教戦争で、米西戦争や日米戦争は人道と言いながらも、根底に人種問題があった。
アメリカの面白いのは、他人を非難すれば自らが浄化されると思っていることだが、これは末っ子的な朝鮮半島にも言えるので、「国別兄弟関係」でも話したように、やはり、アメリカは出稼ぎに出て一旗揚げた次・三男だろう。
長子というのは案外、悩み込んで自己批判し、徹底性に欠けるところがあるが、次・三男や末っ子は向こう意気が強く、スケープゴートは徹底的に叩く。そのくせ逆に、みんなに非難されると弱気になる。
この、他人非難は、何も米韓だけのことではなく、世界の大原則は相手非難であることは言うまでもない。
日本は、むしろ例外的にこの要素が欠けている。それも日本の特殊性なのだろう。
島国の孤児、日本はやはり一人っ子だ。対人関係という「相対的なパワーバランス感覚」がない。つまり外交下手で、引いたり押したりができない。ガマンを重ねて爆発する。
昭和30年代以後の世代は、形だけは世界のマネをできるようになったが、やはりまだ、世界基準の駆け引きが理解できていない。外国の日本非難に対して本気で怒ったりする。
今後の日本人は「飛び込んで」長期の海外経験をした人たちに期待したい。(代理店による留学などは意味がない)
アメリカの良心
さて、そういうアメリカは、「女」にはついて行けない一方で、人種問題には必要以上に進歩的であろうとする。これは、奴隷制への原罪意識と、人種のルツボという環境からくるのだろう。
人種問題は、日本人が「お前それでも日本人か」と言われると弱いように、「お前それでもアメリカ人か」と言われそうな強迫観念がある。
アメリカ人にとって、人種差別の克服は「良い子」の証になる。
つまり、アメリカ内部に人種差別が存在する以上、良識的であろうとするアメリカ人は、オバマがアフリカ系ゆえに、むしろ、積極的に支持する(しなければならない)。
だから、支持しながらも、アフリカ系暗殺への恐怖感も同居する。
この悲壮感が、さらにオバマ支持に回る。
皮肉に考えれば、この悲壮感こそが、内在する恥部。差別意識なのだ。
ありていに言えば、
良識あるアメリカ人は、偏狭な人種差別者による迫害に立ち向かって大統領を目指す「勇気」を支持し、アメリカが世界で最も人権に開かれた国であることを証明しなければならない・・・
こういう「感傷」が働けば、政治手腕や政策など吹っ飛んでしまう。
内容ではなく「姿」が支持を高めることになる。
いま、前世紀打開の動きとして、世界的に選挙での逆転が起こっている。事情は国により様々だが、とにかく、大転換の胎動が始まっている。しかし、そうは単純には進まない。まだ始まったばかりだ。
ところで、アメリカ大統領、占い的には、正統が消えるという点でどちらがなっても矛盾はない。
ヒラリーの方が優秀だが、オバマの方が役者が上だ。加えてアフリカ系という、良識的アメリカ人が抗えないセールスポイントを持ち、しかも若い「男」だ。
この二人がアメリカ大統領になると、甲乙つけがたい危惧がある。
オバマは安倍や、盧武鉉のように人気先行で、脈絡のない政治になるし、ヒラリーなら重大問題で「キレる」だろう。ヒラリーはサッチャーと同じくサソリ座だ。(ただし、ビルとセットなので緩和される)
それに、共和党に負ける可能性もある。
何しろ共和党は「負けん候補」だと言っている?
どちらになっても、やはり世界は・・・どうにも星のとうりに進んでいくらしい。
★ 歴代アメリカ大統領 メモ ★
星座
だいたい均等だが、天秤・水瓶・魚が、各々6人でやや多い。
九星
一白3人・二黒9人・三碧2人・四緑4人・五黄2人・六白4人・七赤7人・八白7人・九紫6人
二黒が圧倒的に多く、七赤・八白がつづく。
二黒は地味だが、エネルギッシュでバランスがとれた人格であり、
土星と金星が多数を占めるところが、いかにもアメリカ人の堅実性を物語っている。
特記すべき事は、今人気のオバマは三碧で、2人しかいない上に
両者とも、偶然性の強い大統領で、しかも、弾劾をうけたり党から除名されたりしている。(10代ジョン・タイラー、17代アンドリュー・ジョンソン)
三碧はアジテーターで宣伝上手だが脈絡が無く、指導者には不向き。
ヒラリー 八白・サソリ座(北方謙三と同日)
オバマ 三碧・獅子座(羽賀研二と半月違い)
マケイン 一白・乙女座