午年は尻下がりとの定説に反して、株価はとりあえずプラスで終わった。
株高は海外では、アベノミクスではなく、クロダノミクスだと言っているそうだ。安倍総理の停滞を、黒田総裁の獅子奮迅の黒田相場で、どうにか持ちこたえているだけで、安倍経済政策だけなら、とんでもないことになっているかもしれない。
今や安倍政権の評価は、長期政権による、思い切った経済改革への「期待」だけだ。
もし、これから半年、1年で抜本的な改革が出来なければ、日本は極めて危険なことになる。誰もが、そのことを解っているから、なかば祈るような気持ちで日本経済を見ている。
東京オリンピックが決まった時、昔の経済図式から逃げ遅れるのではないかと不安になった。公共事業や輸出に頼る経済の活性化は、もはや前世紀の夢であり、株価に頼る空騒ぎは、やがて大きなつけを払わなければならなくなる。
今や、オリンピックの引き受け手もないほど、巨大イベントは時代遅れになりつつある。
産業革命パラダイムは、いわば借金で空騒ぎをしていた世界と言ってもいい。
ローマ法王が、悔い改めよと警告を発するほど、横から見れば、どう見ても危なっかしい限界に来ている。
飲めや歌えのどんちゃん騒ぎの最中、「あれ、この支払いは誰がするの」と、気づいた人は、早めに退席してしまう。その最中に、「もう一本お願いしま~す」と言ったのが東京オリンピックだ。一番盛り上がっている人が、支払いをさせられることになるかもしれない。
安倍政権ががんばっていることは認めるが、残念ながら、すべて、過去の経済システムを前提にした、上っ面の小手先だけだ。嫌われても大改革をやり抜くような、先見の明がない。
評判の良かった田中角栄の日本列島改造論や、その場しのぎの日中国交回復は、時を経れば禍根を残すことになった。
2015年は、アベノミクスが、結局は「黒田頼み」のクロダノミクスだった、では済まされない年を迎える。
田中角栄も、安倍晋三も一白のムードメーカーだ。まじめで優しく思いやりに嘘はないが、現実を踏まえ、大局を見据えた骨太のビジョンは無い。
ちなみに、安倍晋三9月21日と誕生日の近い麻生太郎は20日生まれの六白、その祖父の吉田茂は22日生まれの五黄だ。
不器用で当たりの悪い土星だが、五黄が最も線が太い。同じく土星の二黒は、一見、地味だが、実力は五黄に劣らない。黒田東彦日銀総裁は二黒だ。