しかし、それにしても、中国の腕力覇権には困ったものだ。
と、思うのも、日本の立場から情報を得るからであり、中国人にすれば当然のことを、世界が意地悪をして圧力を掛けて来ると受け止める。
戦争は常に、そういう風にして起こるものだ。
自分の立場だけで考えれば、自分をジャマする者は常に悪者だ。
だが、双方の報道や情報を比較しても、今の中国には何の大義もない。
力の論理だけしかないからだ。
150年堪えてきた中国にすれば、ようやく大国の立場を取り戻したのだから、大国として許される当然の振る舞いだ。という事だろうが、気の毒だが150年の冬眠の間に、世の中はすっかり変わってしまっている。
大きい者、力の強い者が、弱者を従わせる世界は、徐々にではあるが、過去のものになろうとしている。
中国の思考や態度は、世界の流れに露骨に逆らうものだ。
しかも、そのことに、当の中国は、まったく気づいていない。
最大の原因は、中国が軍事力で建国し、いまだに軍中心の政治体制のまま、金を持ってしまったことだ。
軍人にとって外交とは、力比べであり、政治の最大関心事は強兵であって、外交相手とは戦争相手に他ならない。
軍事力に自信を付ければ、次には相手を屈服させ、勢力圏を広げることしか関心がない。「ややこしい話」など好まない。それは、日本の軍部の歴史で、日本人は嫌と言うほど体験した。
今の中国の原理は、すべて軍国時代の日本と同じだ。
社会的に戦争ドラマが好まれ、外国のすることは全て敵対行為であり、国の方針に異を唱えるものは非国民として、庶民が誹謗する。
御用マスコミは、自国が如何に強大かばかり宣伝し、外国を非難する。国民もそれに酔って同調する。
しかし、少なくとも一つだけ、日本と違うことがある。
中国人は極めて現実的、良くも悪くも現金だ。
自分が間違っていたことを、現実を見て知れば、直ちに考えを変える。
変に、感情に引かれて、現実を見ても信じ続けると言うことがない。
信じ続けるだけでは、何の得も無いからだ。
この点、日本人は「こころ」を大切にする。つまり、思いや信念に従って生きる。日本人は、それを良いことだと思っているが、現実より観念に生きることの危うさは、戦前に体験したし、今また、韓国の日本に対する「恨み」という思い込みにも、戸惑わされている。
互いにどう思うかは別として、日本人は体質的*には、やはり、中国人より朝鮮人に近いようだ。それがよけい近親憎悪を生むのだろう。
本気に付き合おうと思えば、体質の違う中国人の方が、むしろ、付き合いやすい。他人であればこそ可能になる「君子の交わり」だ。
ただし、中国人が現実を見る日が来ればの話だが。
※
文化的に言えば、中国と朝鮮は兄弟であり、日本は隣家の一人っ子