トヨタはアメリカのご都合主義の標的になっているようだが、だからと言って無論、トヨタに責任がないわけではない。
極まれば転ずる
物事は絶好調の時が一番危ない。
ピークでの危険を避けるには、拡張中に撤退準備を始めることだ。拡張の勢いというものは多少無理をしても止めるわけにはいかない。加速時には多めにアクセルを踏み込まなければ失速する。
絶好調の時には必ず無理をしているはずだから、到達点の、1~2割は捨てるつもりで、アクセルをゆるめる。
もちろん加速中にその準備ができれば申し分ないが、そればかり考えると勢いがそがれ、浮かび上がれない。
100点を取ったら、自分の実力はせいぜい80点と考える方が良いが、失敗をする人は、自分は100点人間だと思い込んでしまう。
成功した大企業に就職したいと考える人は、初めから100点人間になりたい人で、そういう時代に就職をして来たような人は、いかに優秀でも、企業としては信用すべきではない。
企業が安定的に続いて、100点志向の人が経営トップになる時が来れば、それが企業の寿命尽きる時だ。
また、100点志向でなくても、想定外の成功をすれば、自分を失い慢心する。日本のバブルも、想定外の大成功に、日本人が何をして良いのかわからなくなったからだ。こういうことは何も日本だけではないと、アメリカも証明してくれた。
戦争も拡張すれば兵站が途切れる。「勝ち過ぎ」の危険は良く言われるが、何がどう危険なのか、その時、わかる人は少ない。
郵政で自民圧勝の後、縮小引き締めを考えず、維持だけ考えた結果、自民は壊滅的敗北をした。民主党もまた、同じ危険を冒そうとしている。おごれる平家久しからず
トヨタは水瓶座とみなしているが、やはりそうらしい。
(風雲)
自分の星座に木星が来れば、過去が評価されて脚光を浴びるが、過去の問題が発覚して、治療することになったりする。
木星が水瓶に来た昨年、世界不況のあおりを受けて、拡大路線の収集に追われたトヨタは、反面、ハイブリッドでは評価された。
そして、木星が去ったとたん大問題に直面したが、これはむしろトヨタの大英断ではないかと思う。
アメリカ自動車産業不振のスケープゴートにされ、小さなことを、言いがかり同然に叩かれ続けてきたことに、「キレた」のではなかろうか。アメリカ製品を使えと言われて、それで問題が起きているのに(これがピークの盲点)、トヨタ叩きに狂奔するアメリカに、
「ああ、わかったよ、わかりましたよ!、そんじゃあ、一からやり直させてもらいます」と
暗に、『誰の責任かハッキリさせよう』と、居直ったように思える。
韓国と大差ないアメリカマインドは、「ずるいトヨタが当局の言い分を聞いて渋々動いた」と囃したり、GMは「しめた!」とばかりに、トヨタ車からの乗り換えサービスをやってみたり、公平性も志も無い。
貧すれば鈍するとはこのことだ。principleが聞いてあきれる。