昨年の暮れ、「土星水瓶」で、ソ連崩壊時と同じ30年目の水瓶座の話を書いたが、このロシアの不幸が天秤座のプーチンには地味な吉角であることを記した。
西側から見ると明らかな失策なのにプーチンの支持率は80%以上ある。もちろん、様々な情報工作の結果だが、それが上手く行き、同時にそのことがロシアの不幸であると、星の影響はいずれも正直に現れている。
問題は、同じ天秤座の日本だ。円安など状況は悪いが、不都合ではない。
つまり、世界のこの悪環境を逆手にとるかとれないかは日本次第だ。
土星の吉角を活かすのは、諦めと、悟りと、温故知新だ。
日本が諦めることとは何であり、何を悟り、どこまで遡って考えるのか。
今後、日本が「諦め悟る」こととは恐らく、明治維新からの「一等国」だろう。これは劣等国になることではない。むしろ逆だ。大国や列強の古い価値観で考えることを止めるということだ。世界は変わった。
これからの世界は規模や力ではなく、影響力の時代になる。
産業や軍事の大きさではなく、いかに世界に信頼され求められる国になるかだ。力ではなく、知恵や魅力や調整力で、インフルエンサーにならなければならない。
ウクライナ戦で象徴的なのは、巨大パワー兵器が、ドローンを始めとする小型「機能」に勝てないことであり、困り者的なトルコが意外な活躍をしていることだ。あらゆる価値観の見直しが迫られている。
グローバル時代の中心
21世紀はネットワークの時代であり、大きな物は邪魔になる。
察し合いの日本は、実は世界のどこよりも、平均化された知恵と力が連携し合っている、ヒーローや独裁者のいないネットワーク社会だ。
これは、長い歴史の中で生まれた日本の体質であり、その集団力が明治維新後の国家競争時代には役だったが、今後はその能力が逆に国を萎縮させることになる。
画一的な学校教育の弊害で、国民の能力が一定レベルより向上しなくなっている。低レベル基準の一元化だ。一刻も早く、若者を画一テストから解放し、多様な生き方を推奨しなければ、日本は窒息死する。遺伝の法則が示すように、偏った生物は絶滅する。
日本の「温故知新」とは、それぞれの地域、それぞれの職業、才能が得意分野に打ち込める、江戸の多様性を、もう一度見つめ直し、さらにそれを世界に広げることだ。
周回遅れの中国と真逆の方向に向かうことは、すなわち、21世紀の本流であることを示している。
中韓がトップを占めるような、国際学力テストなどとは違う方向に向かう時だ。
ロシアの失敗は、ネットワーク時代を理解していなかったことだ。単一のタテ型大組織で世界や国家を統率できる時代は終わった。中国もコロナや弱小国に対し、一方式で治めることができると思っているが、失敗するまで止まらないのが中国だ。
現在、土星が水瓶座にあり、来年は魚座に移るが、替わって冥王星が水瓶座入りする。
凶星を活かす時が来た。プーチンは天秤座でも水瓶座ロシアの大統領だから船が沈めばともに沈む。しかし、日本は国そのものが天秤座で、凶星が吉角にいる。
唯一心配なのは、2025年、土星と海王星が牡羊座に入ることだが、天王星も直後に双子座入りするから、むしろ大チャンスになるだろう。