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本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

芦沢央 著 『夜の道標』

2022-11-02 | 本の紹介
先月10月の読書は以下の8冊、9月の9冊に引き続きこの秋はまさに「読書の秋」になっています。

『方舟』 夕木春央 (講談社)
『財布は踊る』 原田ひ香 (新潮社)
『従順さのどこがいけないのか』 将基面貴巳 (筑摩書房)
『噓つきジェンガ』 辻村深月 (文藝春秋)
『その本は』 ヨシタケシンスケ (ポプラ社)
『掬えば手には』 瀬尾まいこ (講談社)
『夜の道標』 芦沢央 (中央公論新社)
『ハヤブサ消防団』 池井戸潤 (集英社)

いずれも話題の作品でそれぞれに面白く、どんどん読み切りました。

この中で今日、紹介するのは
『夜の道標』 芦沢央 中央公論新社
10年ほど前にフロンティア文学賞を受賞しデビューし、静岡書店大賞受賞、
吉川英治文学新人賞、山本周五郎賞、本屋大賞、直木賞など数々の文学賞候補にノミネートが続いていて、
何冊か読んだ中で将棋の世界を描いた『神の悪手』が特に心に残っている作家さんでした。
今回の『夜の道標』は、一見関係のなさそうな4人の登場人物の視点から物語が進み、
最後には4人が一人の男へと収束していくという、先へ先へと読みたくなるミステリーでした。
社会的に問題を抱えてそれを隠したい時、下へと落ちていくのは簡単で、
その隠れた被害者になりがちなのは、力の弱い子どもや女性であることが本当に腹立たしい・・・
人が人として平穏に生きていくために「助けて。」と言える場所、人、時間がないものかと、
辛くて、胸を締め付けられる思いでいっぱいでした。