いぶろぐ

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トンネル事故

2012-12-03 18:22:41 | 超・いぶたろう日記
日本が高度成長期に築いたものが、
その技術力・安全性の神話と共に崩れていく、
何と象徴的な事件であることだろうか。

自分がもしも被害者の遺族だったら、
やはり保守点検の信頼性を疑い、
NEXCOの責任を追及し、
国の道路行政を批判したろうか。

遺族が感情的になるのは責められないが、
まるで無関係な人までが遺族に「憑依」して、
安全が生命が責任がとギャアギャア騒ぐのには違和感がある。

原発も同じで、事故が起こってから神経質に騒ぐのは誰でも出来ること。
そこまでの過程もちゃんと丁寧にたどらないと、
またどっかのだれかに押しつけ合うだけの無責任ななすりあいになる。
公共事業への出費を忌み嫌い、高速道路の無料化を要求し、
経費節減のためにメンテナンス費用までもギリギリまで節減させている、
意識するとせざるにかかわらず、
そんな圧力の発生源になっている人々も少なくないわけで。
これもひとつの「民意」の招いた結果ではなかろうかとも思われる。

社会保障ともつながる話で、
負担と受益とのトレードオフを度外視したまま、
感情的に喚くだけでは、まるで建設的な議論にならない。
この点、何においても日本の世論というのは変わり映えしないなあと思うのだ。

すぐさま悪者探しを始め、
同じ構造のトンネルのリストを作り、散々不安をあおり立て、
その5分後には芸能人の入院を同じクラスの大事件かのように報道する、
無節操なテレビや新聞こそがその元凶と見るが如何に。

日本のインフラは世界で1・2を争う金持ちだった頃に一気に作られて、
いまや青息吐息の経済状況でその維持すらままならない、というのが実情。
日本にあるものはすべからく便利で快適でカンペキに安全であるべし、
というのはもはや幻想と言うべきだろう。
維持できないのだから、
身の丈にあった程度に縮小しなければならないものも多いはずだ。
過疎の進む地方などは放棄せざるを得なくなることだってあるかもしれない。
そこにカネを垂れ流すほどの余裕が、今の日本にあるのかと言いたい。

そもそも、何であれ作る人も管理する人も、
実は自分が使わないものを扱っているわけで、
その点にいくらでも隙は生まれうる。
プロの矜恃に支えられるのみ、それを期待し信ずるのみ、なのだ。

「あってはならない」ことなのだろうけど、
そのためにやらなくてはならないことは無限だろうし、
予算と人員は有限だ。
その意味で言えば、「まったくなくす」ことなんて実現不可能だろう。
それを声高に言う人はきっと詐欺師だ。
自分では責任の負いようもないからこそ言えるんだ。
選挙の時期だしきっと増えるだろうな。

緊急点検実施だなんて、批判が怖いから形ばかりのものだろうし、
どうにも虚しく聞こえる。
ここからまた安全のためだと錦の御旗を振り回しながら、
無駄な予算を極端に垂れ流すのだろうか。
何が防災・減災だ。地震なんか起きなくたって、
トンネルが崩れるような国に成り下がってるのに、なあ。

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