いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

早慶戦

2020-11-08 23:48:28 | 超・いぶたろう日記
出先で見たテレビがたまたま早慶戦をやってて、
ちらと見ると2対1で慶應リード、
しかもなんとこの試合に勝った方が優勝という大一番と知る。
大学についてはそれほど母校愛が強いわけでもなく、
早慶戦なんかも普段は特に気にしないんだけど、
いざこうなるとやっぱ応援しちゃうよね。

早稲田は3回以降ヒットが出ず、
8回にはとどめとばかりに慶應のエース木沢(ヤクルトドラフト1位)が登場。
昨日は先発して100球超、7回に2ラン被弾で負け投手となったものの、
今日は雪辱とばかりに気合満点、
カットボールと150キロ近い速球で見事に抑え込む。

その裏、慶應は2死一、三塁の大チャンス。
ここで早稲田はこれまた前日15三振を奪い完投した、
エース早川(楽天ドラフト1位)を投入。
両校ともプロが認めた絶対エースに勝負をかける。
早川渾身の一球を慶應の水久保がフルスイング、
打球は前進守備のレフトを超え、ぐんぐん伸びる…万事休すか…、
ところが懸命に追いかけた左翼手の目一杯伸ばしたグラブにギリギリ収まる。
思わず早川もレフトに向かって拍手。
僕はあまり好きじゃないが、解説者が好んで使う、
「試合の流れ」を「変えるプレイ」なんてものが本当にあるとしたら、
この試合ではおそらくこれ。

9回、早稲田の最後の攻撃。
10季ぶりの優勝を狙う早稲田だったが、
連投の疲れをまったく感じさせない木沢の見事な投球術の前に、
あっけなく2死まで追い込まれる。
敗北を覚悟してか、早稲田ベンチには思わず涙する者も。

もうダメか…と誰もが肩を落としかけたその時、
諦めるのはまだ早い!とばかりに1年熊田が執念のレフト前ヒット。
慶應は優勝まであと一人、しかしその一人こそ誰あろう、
前日、決勝の2ランホームランをかっ飛ばした蛭間。
熊田のヒットから…というのもまったく同じ。
前日のシーンが誰の脳裏にも思い浮かぶ。

ここでなんと慶應の堀井監督、エース木沢に交代を命じる。
「勝利を優先した非情の采配、私はこれを支持しますね!」
解説者はそうフォローするも、
これはむしろ将来あるエース木沢に二度も傷がついてはという、
監督の温情だったのではないか。
エースを慮るのはわかる、しかしさればこそ、
雪辱をかけて勝負させる手はなかったか。
木沢にしてみれば勝っても負けても自分の手で終わらせたかっただろう。
結果として、エースに全てを託した早稲田と、
エースを変に庇った形となった慶應の判断が明暗を分けることとなった。

代わった投手生井。
特別入れ込んだ様子もなかったが、相手は前日勝負を決めた蛭間だ。
否が応にも早稲田ベンチは盛り上がる。
生井もここさえ抑えれば優勝投手だ。
無意識に力んだかもしれない。

勝負はあっけなかった。
変わりばな、蛭間は初球を迷いなくフルスイング。
打球はあっという間にセンターバックスクリーンへ吸い込まれ、
早稲田ナインは一斉にベンチを飛び出す。
逆転!!
9回2死ランナーなしからの、これ以上ないくらい鮮やかな逆転劇だ。
思わず僕も手を打って喜んだ。

その裏、早川はランナーを1人出すも早稲田ベンチは動かず。
そのまま残る打者を打ち取ってゲームセット。
早稲田優勝!
いや凄い試合。観られてよかった。

勝利監督インタビューで出てきた早稲田の監督。
あれ?見覚えあるなと思ったら、何と小宮山(ロッテ他)。
その小宮山、開口一番、
「プロでも日本一になったのも含め多くの凄い試合を見てきたが、野球人生で今日の試合が一番感動した!」
とのこと。
いやそらそうだよ、こんな劇的な試合なかなかない。
監督がインタビューで感極まった姿もまた良かった。

野球はやっぱイイなあ。
20年ぶりくらいに早稲田の校歌一緒に歌っちゃったよ。
今夜あたりコマ劇前とか歓喜の渦だろうな…と思ったけど、
コロナでそうもいかないのね。
もう何かと鬱陶しいね、コロナ。
あ、コマ劇前広場ももうないのか。
あの早大生みんなが掴み合ってまで乗りたがる変な球のオブジェとか。
時は流れたのねん。