馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

ひどい裂蹄

2010-02-19 | 蹄病学

Pc110061_2 何か硬いものを蹴飛ばしたのかもしれない。

後肢の外側蹄壁が割れてしまった。

と思ったら、蹄底まで割れて剥がれてしまっている。Pc110065

割れた蹄はもうくっつくことはないので、裂蹄の処置はそれ以上割れないようにすることしかない。

この馬の場合は、完全に割れて剥がれてしまっているので・・・・・

切除してしまった方が良い。

このまま残しておくと、変に剥がれて蹄冠まで裂けると困るし、残しておくと内部が感染しかねない。

Pc110067 血が止まり、傷がそれなりに治まり、痛みがなくなるまでは、包帯で巻いておいたほうが良いだろう。

装蹄師にして獣医師であるDr.Scott Morrisonも講演で同じような症例を見せていたので、

「どういう処置をして、予後はどうか?」訊ねてみた。

「切除してしまう。包帯を巻いておく。予後は良好。」

私とまったく同じ答えだった。

安心した(笑)。

                           


6 コメント

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hig先生、こんばんは。 (acheval)
2010-02-20 18:33:31
hig先生、こんばんは。

先日はアドバイスありがとうございました。愛馬の咳、ご指摘いただいた点に気をつけてその後1週間くらい様子を見ました。おかげさまですっかりおさまりました。一安心です。ありがとうございます。

今実は、馬たちの削蹄を自分でやろうとしているところなのですが、いろいろ検索して調べていたら、先生の昨年の今頃の記事(2/13)を見つけました。とても参考になりました。週が明けたらJAに行って道具を置いているか見てこようと思っています。
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>achevalさん (hig)
2010-02-20 19:12:56
>achevalさん
 咳おさまってよかったですね。

 ネット上でも日本語の馬の健康管理の情報はあんまりないようですね。JAに良い道具があれば良いのですが。
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hig先生こんにちは。 (kinako)
2010-02-20 20:25:40
hig先生こんにちは。

お馬痛そうですToT 
包帯はどういうふうにされるのでしょうか?

蹄葉の表皮細胞が、損傷時に必要なだけ増殖し、最初だけ角質をつくってその後増殖が調節されるメカニズムは興味深いと思っています!

日が長くなってきましたのでやっとイルミネーション外しました^^;
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>kinakoさん (hig)
2010-02-20 21:10:21
>kinakoさん
 生爪を剥がすというやつかもしれませんが、その部分が当たらなければそうでもないようです。

 Dr.Morrisonは紙包帯とダクトテープを使うようです。

 蹄は蹄冠部から伸びて来るのを待たないとならないようです。

 家はまだイルミネーション点けています。寒くて殺風景なんで(笑)。
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ぱっこり箱が壊れたように見えますね… (maimai2)
2010-02-21 11:36:20
ぱっこり箱が壊れたように見えますね…

見つかったとき出血はどうだったのでしょう?写真から出血のよごれはなさそうに見えるのですが…

蹄冠の際(?)まではさけてなかったのは幸いですね。

包帯はどのくらい巻いておくのでしょうか?
また保護具のような靴を掃かせて剥き出し部分?に負荷がかからない、触らないようにするのでしょうか。側方だからあまり負荷はかからないのでしょうか?
寝起きは痛そうな気が…

はやくよくなると良いです(^-^)
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>maimai2さん (hig)
2010-02-21 20:01:22
>maimai2さん
 蹄がカプセルのような構造をしているのがよくわかりますね。
 
 出血はそれほどではなかったようです。蹄冠まで裂けていたらもっとたいへんでした。
 Dr.Scott Morrisonも装蹄したりしないようです。他の馬と放牧できなくなるし、改装しなければならないし、たいへんだからでしょう。自然の治癒力にまかせて大丈夫ということでしょう。
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