骨折線が外側皮質に抜けて開いてしまった。
(骨折線とはx線画像診断から来た呼び名なのだろう。立体でとらえれば必ず骨折面なはずだ。)
縦骨折のように見えるが・・・・・
背外側-掌内側方向で撮影してみると、掌側のピースが割れているのがわかる。
ということは、第一指骨の近位関節面は中央で内外に割れてしまっているのではないのか?
掌側外側1/4ほどが割れただけなのか?
骨折線(面!)をできるだけ正確に把握しておかないと、的確にスクリューを入れられない。
骨折線(面!)を見逃して、スクリュー固定すべきところを固定しないと、粉砕してしまうかもしれない。
肢の正面から、今度はすこしうち上げる角度で撮影した。
これで、第一指骨の背側(前側)が近位側の辺縁として写っている筈だが・・・骨折線(面!)が見えている。
つまり、第一指骨の近位を内外に分ける骨折面は背側にまで至っているのだ。
このような骨折がもう少し悪化して、粉砕骨折になれば、側副靭帯と関節包を切開して、球節を脱臼させて、関節面から骨折線(面!)を観ながらスクリューを入れることを考えなければいけなくなる。
しかし、それでは競走復帰は望めない。
掌側の大きなピースをしっかり固定すること。関節面をできるだけしっかりあわせること。粉砕骨折に悪化するのを防ぐこと。を目標にスクリュー5本で内固定した。
スクリューの1本は、背側の骨折線(面!)を固定するように挿入した。
粉砕骨折に悪化しないようにという点では、さらに2本くらいスクリューを入れるのが望ましいかもしれないが、スクリューヘッドやスクリュー先端の骨膜増勢も起こるので、5本でとどめた。
開いてしまっていない縦骨折だとあまり長い期間のキャスト固定は必要ないかもしれないが、この症例では骨癒合するまで
キャスト固定しておく必要がある。
もちろんキャストは、体重を中手骨部へ逃がせるように、蹄尖まで覆う。
キャストの中で球節が動かないように、屈曲・伸展しないように第一指骨と中手骨が直線状になるようにキャストを巻いた。
あと 切胎術でも ピースって言いますね(汗)
piece。破片の「片」というよりは、「部分」的なのかもしれません。もっと大きくても使えるんじゃないでしょうか。
俗語としては、他の意味もあるようですよ(笑)。