本州で後肢の跛行をするようになり、1ヶ月以上経ってから帰されてきた競走馬。
両臀部の筋肉が落ちてしまっている。
私は跛行は観れなかったが、左後の中程度の跛行をしている、とのこと。
後膝を撮影してみたが、大腿骨内顆のSCL(軟骨下嚢胞状病変)は否定。
全身麻酔して骨盤のX線撮影をしてみましょう、ということになった。
で、左の股関節にひどい骨関節炎が見つかった。
骨関節炎。
変形性関節症とも呼ばれる。
この馬がどうしてこうなったのかわからない。
しかし・・・・
アクシデントで骨盤骨折したのならもっと骨盤の形状が変わっていることが多い。
この馬は、極端な形状の変化はないように見える。
そして、この馬は右の臀筋も萎縮していて、右の股関節にも痛みがあるのではないかと思われた。
X線画像でも右の股関節も狭くなっているように見える。
さらに、左の股関節から恥骨側へ透過亢進部分がある。
それらのことから、この馬は左の股関節に感染を起こして、その結果として変形性関節症が進行したのではないかと推測した。
しかし、今さら血液検査で炎症像を調べても仕方ないだろう。
まれなのだが、1歳馬や育成馬でも細菌性股関節炎を起こすことがある。
しかし、1歳以上に成った馬が細菌性関節炎を起こすことはまれなので診断されなかったり、見逃されることが多い。
股関節は腫れても外見上はわかりにくいので、骨折した?と放置され易い。
もちろん別な、珍しい、原因はわからないが、両側の股関節に障害を起こす病気の可能性もある。
-
この日、次の症例も股関節の障害を疑う症例だった・・・・
///////////////
日照時間が短くてやだね~
朝の散歩はいけないこともあるし、
とうちゃんがかえってくるころはもう暗い。
でも、冬至ももうちょっとだ。
感染症から変形。感染経路とか、気になるところです。おんまさんには結核性関節炎はないでしょ?と思ったり。
馬の脚ははとぽっけが思っていた以上に横の可動域が広かったのですが、こうなっては、横にも前後にも痛みをともなうのでしょね。治療はどうするのでしょ?
待ち遠しいです、冬至。かぼちゃもゆずゆず湯もリハーサル済み
JRAのレース結果画面、馬名の横に謎の「B」はブリンカー?めんこは「M」なのかなぁ。
日照時間が明日からは長くなっていくよ、というだけで希望を感じます。まだ寒さのピークはこれからなんですけどね。
症例の年齢も知りませんし、はたまた馬にあることになっているのかどうかも知りませんが、レトリバーでよく知られている股関節異形成の末期に似ていますよね。
両側性に軟骨が菲薄化していき、たまたま左股関節が先に音をあげて関節症に移行したのかも知れません。
異形成とはまた違うのでしょうけれども、写し難い股関節には軟骨疾患がないと決めつける訳には行かないですよね。
跛行はあるものの熱発はしていなかったそうなのですが、股関節炎で熱発しないってことはありうるのでしょうか?
冬至近し、ですね。
可能性はあると思います。
グリッド・ブレンデを使っていますが、このサイズの馬になると散乱線が多くて、この程度の画像にしかなりません。線量的にもほぼ限界です。
冬至に、クリスマスに、しかし年賀状に、大掃除もです;笑