【おきあがりこぼし】

【おきあがりこぼし】

幼い頃わが家の人形ケースにも旅のみやげにもらった「おきあがりこぼし」という伝統的郷土玩具があった。ウィキペディアには福島県会津地方に古くから伝わる縁起物だとある。だるまさんのような人形の尻に、さらに重しが入っているので倒しても元通り起き上がる。

「こぼし」が「小法師」だということは大人になってから知ったことで、子どもの頃は、卓上の醤油差しをひっくり返して叱られることもあってか、「起き上がり溢(こぼ)し」だと思っていた。醤油差しも自分で起き上がるようになっていてくれればいいのにと思ったものだ。

 いつだったかミャンマーのマンダレーの屋台店で紙製の達磨さんを買った。赤く塗って底に小石が入っていた。起きあがり小法師になっていた。このイメージは国境をこえて普遍的なものなのだということがわかって軽い感動を覚えた。普遍的な人生の知恵が封じこめられているから売れるのだと思った。動く知恵、転ぶ知恵。生が死に転じ、死が生に転じる。それが可能であるのは起きあがり小法師が無限という盤上に置かれているからだろう。(岩田慶治『わたし とは何だろう 絵で描く自分発見』講談社現代新書:1996)

毎晩倒れても毎朝起き上がる限りにおいて、生き物はみな無限という盤上に置かれた縁起物なのである。

真俯瞰でYouTubeの動画撮影するカメラで水平が出しにくいので水準器を買ってみた

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20 音オルガニート

20 音オルガニートで童謡 海(♪〜うみはひろいな) Umi
作曲/岡野貞一

20 音オルガニートでわれは海の子 Ware ha Umi no Ko
作曲/未確定

20 音オルガニートで真珠貝の歌 Pearly Shells
オアフ島に伝わる古い歌(Popo O Ewa)に英語詩をつけたもの

を公開。

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2024年7月号(通巻20号)まで公開中

 

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【梅雨のメコン紀行】

【梅雨のメコン紀行】

岩田慶治『草木虫魚の人類学』淡交社(1973)を読み終えたので、岩田も参加した東南アジア稲作民族文化総合調査団編『メコン紀行 民族の源流を訪ねて』読売新聞社(1959)を読もうと手に取ったのだけれど、松本博之・関根康正編『岩田慶治を読む 今こそ 〈 自分学 〉 への道を』京都大学学術出版会(2022)をパラパラめくっているうちに、写真ページに引かれてそちらに没入した。

同書 61 ページで「1957年、東南アジア稲作民族文化綜合調査団の一員として行動中の岩田 (右端)。パ・タン村の最初の調査はこの翌年となる」というキャプションのある岩田の写真がハンサムなのでびっくりした。

長梅雨の蒸し暑さが、東南アジア紀行という「柄」にぴったりの「地」となっていて、読みながら雰囲気にむせ返る。

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20 音オルガニート

20 音オルガニートで童謡 海(♪〜うみはひろいな) Umi
作曲/岡野貞一

20 音オルガニートでわれは海の子 Ware ha Umi no Ko
作曲/未確定

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オアフ島に伝わる古い歌(Popo O Ewa)に英語詩をつけたもの

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【鑿を彫る】

【鑿を彫る】

「鑿」という字は難しい。書けないけれど読める字は多い。けれど、この文字だけをぽつんと示されて読めと言われたら読めないし書けと言われても書けない。

一塊(ひとかたまり)の大理石を前にして立つミケランジェロが手にしている道具……という文脈の中にあるから、「ああ、ノミか」とかろうじてわかった。

イタリアルネサンス期の彫刻家ミケランジェロを知っていたから、大理石の中からノミというヨミを彫り出すことができたのである……などと悔しまぎれに言ってみる。

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20 音オルガニートで童謡 海(♪〜うみはひろいな) Umi
作曲/岡野貞一

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【筌(うけ)のこと】

【筌(うけ)のこと】

岩田慶治の本に、子ども時代の自分たちがそれでよく遊んだ道具の写真が載っていて、筌(うけ)という。祖父母の家の暗い道具置き場にそれはぶら下がっていた。

清水区大内。筌を持ち出して田んぼ脇の水路に逃げ道を塞ぐように仕掛け、上流から足や棒で水を叩いて追うと逃げ惑うたくさんのドジョウが入って出られなくなる。バケツに入れて持って帰ると祖母が泥を吐かせ、夕飯時にはネギやごぼうと煮て酒の肴やおかずになっていた。

そういう入ったら出られない地獄のような竹製の漁具が筌であり、思い出の中で田んぼとドジョウと筌はワンセットになっている。一度ヘビのようなものがとれて腰を抜かしたことがあるが、大人に開けてもらったら大きなウナギだった。ウナギは祖父と叔父が酒を飲みながら食べてしまった。

広辞苑より

筌の歴史は稲作とともにあるのだろう。ドジョウが泳ぐ田んぼに筌はつきもので弥生時代の遺跡からも出土するらしい。

魚を捕るための筌(うけ)も、竹を編んでつくる。ラオスには──東南アジアの全域がそうであるが──実に数多くの筌の種類がある。大きさも多様、型も多様である。また、筌とともに広く用いられている漁具に魚伏籠がある。魚のいそうなところにパッと伏せて、なかにはいった魚を手づかみにする。 大変原始的な漁具である。(岩田慶治『草木虫魚の人類学』淡交社)

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作曲/岡野貞一

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【羅宇屋の話】

【羅宇屋の話】

岩田慶治『草木虫魚の人類学』を読んでいたら、北部ラオスのパ・タン村に滞在していたとき、村びとが何気なく言った「ラオスには実に実にたくさんの竹がある」という言葉がなぜか心に残っていると前置きして羅宇屋のことを書かれている。岩田慶治は1922年に神奈川県横浜市で生まれている。

 私の幼年時代には羅宇屋という職業があった。一種の流し職人で、屋台車を押しながらラウヤー、ラウヤーと呼び声をあげながら町の小路にわけいってくる。屋台には羅宇掃除のための釜が仕組まれていて、湯がわきたぎっている。沸騰する水蒸気が勢いよくのぼり、それがビュービューと一種独特のわびしい音色で笛を鳴らしていた。わが家でも、ときどき、この羅宇屋をよんで羅宇掃除をたのんでいた。(岩田慶治『草木虫魚の人類学』淡交社)

少年時代にこの羅宇屋を実際に見たことがある。お湯の沸騰を知らせるピーピーケトルのような音をたて、ガラスケースの中にキラリと光る煙管(きせる)が並べられていた記憶がある。あれは小学生時代を過ごした東京都北区王子だったのかと思って調べたら、ウィキペディアには「羅宇屋は戦後に急激に数を減らし、1964年には東京で4軒だけとなっており」と書かれている。

そうしたらなぜか、東京ではなく郷里清水の静岡鉄道新清水駅前あたりで見たような気もしてきた。だとしたら東京の街から羅宇屋が姿を消したころにも、清水では羅宇屋の屋台車を引いていた人がいたということになる。思い違いだろうかと気になり、清水で同年輩以上の人に会うと聞いてみるのだけれど羅宇屋自体を知っている人が少なくなっている。

 この羅宇屋の扱ったきせるのラウ、つまり、細い竹の管は、もとをただせば北ヴェトナムとラオスに産するある種の竹がその素材だったのである。ラオス産の竹だからラオ竹、そしてラオ、または、ラウと呼ばれるようになったのである。(岩田慶治『草木虫魚の人類学』淡交社)

2024/07/10 豊島区駒込1丁目

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20 音オルガニート

20 音オルガニートでひらいた ひらいた Hiraita Hiraita
わらべうた 作者不詳

20 音オルガニートできらきら星 Twinkle, twinkle, little star
フランス民謡 (原曲=Ah! vous dirais-je, Maman)

20 音オルガニートで銀河のロマンス Ginga no Romance
歌/ザ・タイガース
作曲/すぎやまこういち

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【気をふき飛ばす】

【気をふき飛ばす】

「気がふさぐ」、「気がふたぐ」、辞書を引いたらどちらでもいいらしい。漢字を当てれば「塞ぐ」か「鬱ぐ」で、これもまたどちらでもいいらしい。

ふさいだ気分が解消されることを「気が晴れる」という。辞書を引いたら「憂うつな気分がふき飛ぶ」とあって笑った。ふき飛ぶというのが村田英雄的に豪快でいいなあと思う。気分はふき飛ばすものだ。

引いた辞書に「気」の句項目が膨大にあって驚いた。mood も energy も atmosphere もひっくるめた日本人の「気」の深み、その重さに押しつぶされず、ふき飛ばすのはたいへんだ。

→気が合う
→気がある
→気がいい
→気が多い
→気が大きい
→気が置けない
→気が重い
→気が勝つ
→気が利く
→気が気でない
→気が腐る
→気が差す
→気が知れない
→気が進まない
→気が済む
→気がする
→気が急く
→気がそがれる
→気が立つ
→気が小さい
→気が散る
→気が尽きる
→気が付く
→気が詰まる
→気が遠くなる
→気が咎める
→気が無い
→気が長い
→気が抜ける
→気が乗る
→気が早い
→気が張る
→気が晴れる
→気が引ける
→気が触れる
→気が減る
→気が紛れる
→気が回る
→気が短い
→気が向く
→気が揉める
→気が若い
→気に入る
→気に掛かる
→気に掛ける
→気に食わない
→気に障る
→気にする
→気に留める
→気になる
→気に病む
→気の所為
→気の無い
→気の病
→気は心
→気は世を蓋う
→気もそぞろ
→気を入れる
→気を失う
→気を落とす
→気を兼ねる
→気を利かせる
→気を砕く
→気を配る
→気を遣う
→気を尽くす
→気を付け
→気を付ける
→気を取られる
→気を取り直す
→気を抜く
→気を吞まれる
→気を吐く
→気を張る
→気を引く
→気を紛らす
→気を回す
→気を持たせる
→気を揉む
→気を許す
→気を良くする
→気を悪くする(スーパー大辞林より)

2024/07/10 本駒込6丁目

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20 音オルガニート

20 音オルガニートでひらいた ひらいた Hiraita Hiraita
わらべうた 作者不詳

20 音オルガニートできらきら星 Twinkle, twinkle, little star
フランス民謡 (原曲=Ah! vous dirais-je, Maman)

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歌/ザ・タイガース
作曲/すぎやまこういち

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【石と猛暑】

【石と猛暑】

冷房の効いた屋内からベランダに出ると温風乾燥機が稼働中の浴室内に入ったようだ。

連日ニュースで猛暑の静岡市内が映るので、中継映像に知った顔がないか探してしまう。親が存命なら「静岡は記録的猛暑らしいけどちゃんとエアコンつけてる?」などと安否確認の電話をしていることだろう。

親たちはみんな他界してしまい「石に布団は着せられず」なので、コンクリート上の植木たちをねぎらいながら二度目の水やりをする。盛大に水をかけながら、山裾とはいえ墓石も熱くなっているだろうなと思う。

2024/07/06 本駒込5丁目

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わらべうた 作者不詳

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【駒込瑞泰寺】

【駒込瑞泰寺】

狂歌に、

ほとゝぎす自由自在に聞く里は酒屋へ三里豆腐屋へ二里(頭光)

というのがあって、いいなあと思う。風流は俗塵と距たっている。

作者の頭光は「つむりのひかる」と読んで早くに禿げたらしい。名を岸文笑(きしぶんしょう)といい、江戸時代の浮世絵師、狂歌師だとある。宝暦 4 年( 1754 年)から寛政 8 年 4 月 12 日( 1796 年 5 月 18 日)まで生きて、墓はなんと駒込の浄土宗瑞泰寺(ずいたいじ)にあるという。

団子坂に住んでいた頃はよくこの寺の前を通って会社に通った。門柱に象がいる面白い寺で、門前に張り出される今日のお言葉に西田幾多郎を引かれていたりして驚いたものだ。

2024/07/06 本駒込5丁目

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【本とニッチ】

【本とニッチ】

自宅や仕事場の適当な場所に読みかけの本が置かれている。自分で置いたからそこに在るのだけれど、どうしてその場所にその本があるかは自分で自分に問われない。なんとなく必然性が感じられるからだろう。

その場所でその本を手にすると、読みたい気分になってなぜか自然に続きが読めてしまう。環境的な存在必然性のニッチであり、外山滋比古風にいえばそこに乱読のセレンディピティがある。

とは言うものの、仕事場のトイレに、その場所がその本のニッチと思えたカレーのムック本を置いておくのはやめた。

2024/07/06 本駒込5丁目

【今日の箴言袋】2024/07/08

◉「おかげで、次のような一連の記号は、語頭の音素の違いだけで互いに他を成立させているのである:「坂 saka」「鷹 taka」「和歌 waka」「画家 gaka」「中 naka」「墓 haka」「バカ baka」・・・」(加賀野井秀一)

◉芸術家こそ真実を告げているのであって、嘘をついているのは写真の方なのです。というのは、現実においては時間が止まることはないからです。(ロダン)

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わらべうた 作者不詳

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【七夕とシャクトリムシ】

【七夕とシャクトリムシ】

ベランダの鉢植えで実生から育てているイロハモミジに昨年に引き続き今年も長さ 4、5 センチのシャクトリムシが発生したので排除した。六義園内から飛んでくるシャクガが好物に卵を産み付けるのだろう。

こんな広い世界の片隅に置かれた、小さな植木鉢に生えた小さなイロハモミジをよく見つけるものだと感心してしまう。イロハモミジとシャクガには互いにアフォード(提供)し合うアフォーダンスがあるのだろう。

朝いちばんで水やりしたときはまったく気づかなかったのだけれど、窓辺で本を読みながら、枝先が丸坊主になったのはなぜだろうとぼんやり眺めていてやっと気づいた。

気づいてしまえばもうシャクトリムシにしか見えないのだけれど、水やりのときは枝にしか見えなかったわけで、擬態の見事さに驚くというより、人間の騙されやすい視覚の脆弱性に驚く。

2024/07/06 本駒込5丁目のデュランタ

【今日の箴言袋】2024/07/07

◉「私たちは意味の刑に処せられている nous sommes condamnés au sens」(メルロ=ポンティ)

◉「……求めなさい。そうすれば、与えられる」(ルカによる福音書の11)

◉「自己の身体とは、図と地という構造にいつも暗々裡に想定されている第三の項なのだ」(メルロ=ポンティ)

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わらべうた 作者不詳

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今日の箴言袋

【今日の箴言袋】

2024/07/06

◉「幸福か否かを自らに問うことによって、人は幸福ではなくなる」(J・S・ミル John Stuart M. 1806~1873 イギリスの哲学者・経済学者)

◉中世の最も裕福な家でさえ椅子があるのはまれだった(M.チクセントミハイ)
 ※中世は5世紀の西ローマ帝国滅亡から16世紀のルネサンス・宗教改革まで。日本では鎌倉・室町

◉「宇宙は敵対的でもなければ友好的でもない。それはただ無関心なのである」(J・H・ホームズ ※どういう偉い人なのかわからない)

◉統一協会系の出版社「世界思想出版」および同社発行の機関誌「世界思想」とは全く無関係である。(Wikipediaより)

2024/07/06 駒込富士神社

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【もう毎日なんて飲まない】

【もう毎日なんて飲まない】

毎週木曜日の夜を、フランソワーズ・ノンアルデーにしている妻に付き合って休肝日と決めた。

帯津良一と五木寛之が対談で、酒は養生法なので一日たりとも休まないと豪語していたのに気をよくして実践してきたけれど、翌朝の記憶欠落が気になり始めたので酒量と飲酒日を減らしてみようという気になった。

7 月 4 日の第1回目ノンアルデーは無事に断酒できたのでひと安心、これならだいじょうぶ、毎週続けようと思う。

ノンアルビールを飲むのは 20 年ぶりくらいだけれど味がまともになっていて驚いた。けれど、期待していたプラセボ効果が起こらないのにはちょっとがっかりした。もしプラセボ効果があったとしても休肝の恩恵はあるのだろうか。だったら心の健康ノンアルビールがあってもいい。

ノンアルビールはシュワっと爽快感はあるものの飲んでも飲んでも陽気にならない。陽気になって気が晴れる本物の酒のありがたみを改めて知った。

来週のノンアルデーの実施要項。
①ノンアルビールは 500ml ではなく 350ml で十分。
②ロングドリンク用に甘い炭酸飲料は買わない。
③家庭内シアターで鑑賞する映画は白黒の社会派作品を避ける。
④会話の穴埋め用に「題名のない音楽会」や「NHKクラシック倶楽部」など音楽ものを録り貯めておく。
⑤眠くなりそうな本を枕元に用意する。

2024/07/2 豊島区駒込1丁目のルリマツリ

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わらべうた 作者不詳

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【ただいま考え中】

【ただいま考え中】

小学生だった頃、先生の質問に答えられないとき他人事のように
「いま考え中です」
と答える女の子がクラスにいた。私は声に出して答える役で、もうひとりいる考え役の私がまだ考え中だと、他人事みたいにさらりと言う。みんなで真似して先生を困らせた。

考え中の頭の中にも言葉がある。人は声に出さなくても言葉で考えている。その音量ゼロの発語すなわち思考のことを内語(内言語)といい、音量ゼロの発語にも声を出して言うときと同じ身体活動らしき興奮が伴うらしい。

黙って考える人と、考えが直接声に出る人は同じ体の中にいて別人ではない。やろうとしても一人二役はできそうにない。一人二役ができるかのように言って身をかわすのが「考え中」だろう。

考え中の成人男女の会話。
「ねえ、考えてる?」
「なんも考えてない」
「うそ、考えてるに決まってる!」
「ほんと、なんも考えてないって」

2024/07/4 豊島区駒込3丁目、猛暑

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20 音オルガニート

20 音オルガニートである朝早く(走れ並木を)  Early One Morning
イングランド民謡

20 音オルガニートでリンデンバウムの歌 Lindenbaum no Uta
作曲/山本直純

20 音オルガニートでただ一度だけ Das gibt's nur einmal
映画『会議は踊る』より
作曲/W.ハイマン

を公開。

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【本の修理】

【本の修理】

2009 年といえば自分にとっては「ついこの前」なのだけれど、その年に発売になったメルロ・ポンティについて書かれた本がすでに絶版になっている。

どうしても買って読みたいので古書で取り寄せたら、15 年前の本なので接着部分に傷みがある。仕事柄ひどく気になるので読み始める前に修理した。

本の修理が嫌いではなく、こういうことがたまにあるのも、まあ古書を買う楽しみのひとつだと思っている。

だったらもうちょっと安くても良かったんじゃないか、傷み有りって商品説明に書いてなかったじゃないか、と古書店に文句をいうこともなく、また一冊古い本を楽しんで補修した。

2024/07/1 文京区立本駒込本駒込5丁目

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20 音オルガニート

20 音オルガニートである朝早く(走れ並木を)  Early One Morning
イングランド民謡

20 音オルガニートでリンデンバウムの歌 Lindenbaum no Uta
作曲/山本直純

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映画『会議は踊る』より
作曲/W.ハイマン

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【旅のエコロジー】

【旅のエコロジー】 

中井久夫が著書の中でスティーヴンソンの『旅は驢馬(ろば)をつれて』と佐々木邦の作品群について、善きユーモアすなわち明るい笑いという観点から触れられていた。『旅は驢馬をつれて』は吉田健一の訳で読んだが素晴らしく、思い出すたびに何度も何度もページを開いている……という日記を何度も何度も書いている。

2024/07/1 文京区立本駒込5丁目

佐々木邦は鶴見俊輔がプラグマティズムがらみでたびたび言及していたことに背中を押され青空文庫で読んでいる。読んでいるとやはり人生が驢馬を連れた旅のように思えて心地よい。善きユーモアは生態学(エコロジー)的世界を構成する一部品として、ニッチへと旅人と驢馬をいざなう。

2024/07/1 文京区立本駒込本駒込5丁目

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20 音オルガニート

20 音オルガニートである朝早く(走れ並木を)  Early One Morning
イングランド民謡

20 音オルガニートでリンデンバウムの歌 Lindenbaum no Uta
作曲/山本直純

20 音オルガニートでただ一度だけ Das gibt's nur einmal
映画『会議は踊る』より
作曲/W.ハイマン

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