【ビル建ちぬ】

【ビル建ちぬ】

風立ちぬ……といえば堀辰雄。
堀辰雄といえば立原道造……。

満24歳の若さで早逝した詩人立原道造に関する評論を読んでいたら意外なことが書かれていた。

■入江二丁目の今年四月

「立原道造は大正三年(一九一四)東京下町の工場主の家に生まれた。似た環境に育った芥川龍之介、堀辰雄とおなじく、府立三中、一高、東大と進んだ。実際、十歳年長の堀辰雄には兄事し、その結婚式には唯一の友人として出席した。東大では建築を学び、一級下に丹下健三がいた。卒業設計は「浅間山麓に位する芸術家コロニイの建築群」である。」(関川夏央『本よみの虫干し――日本の近代文学再読』岩波新書753より)

清水・静岡ではかつて「ビル建ちぬ」といえば丹下健三だったのだけれど、長生きしていたら立原道造が旧清水市役所や駿府会館を設計した可能性もあったのかもしれなくて、それはきわめて詩的なクレーの絵みたいな建築物だったかもしれない……
なんてわけないか。

「建築と詩がとけあったような絵を描く画家になりたい」(クレー)

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