電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
衝撃と振動
2016年10月22日
僕の寄り道――衝撃と振動
先にお風呂をもらった風呂上がりに、髪の毛やゴミが浮いたままにしておくのは行儀が悪いので、小さくて目の詰んだタモ網のような道具ですくい取っている。すくい取るまではよいのだけれど、網でできた袋の奥の掃除がしにくくてだんだん不潔になる。
不潔になるたびに捨てて交換するのもバカバカしくなり、使い捨てするなら 100 円ショツプで売られている安いものでいいではないかと思い、駅前近くの店に寄ってみたら不思議な商品があった。
袋ではなく金魚すくいの「ポイ」のように平板で、「法華の太鼓」のようにうちわ状をしている。すくい取る面の裏側にゴムひもが張り渡され、真ん中につまみやすいプラスチック玉がついている。ゴミをすくい取ったあと、そのつまみを持ってゴムひもを引き絞り、パッチンと音を立ててはなすとネット面のゴミが一瞬にして落ちてしまう。
なるほどこれはよくできていると感心し、ネット検索したら同感の書き込みがたくさんあり、商品名を「パッチンお風呂ネット」という。ゴムひもが収縮しボールがネットを叩く衝撃と振動はしつこい髪の毛まで弾き飛ばすほどパワフルである。
そういえば夏から秋にかけて、夜になると部屋の明かりを目指して虫たちが飛んでくる。朝になってもしぶとく網戸にしがみついいるのはたいがいカメムシで、うらめしそうに室内を覗き込んでおり、見ているだけならいいが、執念深くわずかな隙間を見つけて室内に入り込んだりする。
臭いにおいを出すカメムシをつまみ出すのは苦手なので、網戸にとまっているその場所近くを指でパンッと弾いてやると、宇宙空間に勢いよく放出されたように、しがみついた格好のまま後ろ向きに飛んでいく。指と網戸が作る衝撃と振動もパワフルである。
メガネ洗浄に使う超音波洗浄機や、レンズ交換式デジタルカメラのホコリ除去超音波振動ユニットもそうだけれど、平面に衝撃と振動が加わった時のバワーは凄まじい。「パッチンお風呂ネット」にも超音波が発生しているのかしらと思うが、JISでは『正常な聴力を持つ人に聴感覚を生じないほど周波数(振動数)が高い音波(弾性波)』を超音波と規定しているそうで、パッチンと音が聞こえるくらいなので超音波でもないのだろう。でもすごい。
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