◉哲学の煙

2019年9月2日
◉哲学の煙

 
 

今日の名言に
A pity beyond all telling / Is hid in the heart of love.
というアイルランドの詩人、劇作家ウィリアム・バトラー・イェーツ(William Butler Yeats 1865 - 1939年)の言葉があり
「愛するという気持ちの底には、言うに言われぬ、憐憫の情がある。」
という訳がついていた。漱石(1867 - 1916)の『三四郎』に似たのが出てくる。

「その脚本のなかに有名な句がある。Pity's akin to love(ピチーズアキンツーラッブ)という句だが……」それだけでまた哲学の煙をさかんに吹き出した。【三四郎】

与次郎はしばらく考えていたが、
「少しむりですがね、こういうなどうでしょう。かあいそうだたほれたってことよ」
「いかん、いかん、下劣の極だ」と先生がたちまち苦い顔をした。【三四郎】

ウィリアム・バトラー・イェーツがメンバーだったという秘密結社はフリーメーソンだろうか。よくわからない。ちなみに『ジキル博士とハイド氏』、『宝島』、漱石も作中に引いた「自殺クラブ」を第一話に含む『新アラビア夜話』を書いたロバート・ルイス・スティーヴンソンは 1867 - 1916、漱石と同じ 1867 年に生まれて同じ 1916 年に亡くなっている。今まで気づかなかった。今日の名言からあれこれ。

本駒込 2019

   ***

血圧の薬をもらいに出たら近所の小さい診療所は混み合っている。杖をついたおばあさんたちの会話が面白い。
「お久しぶりです。お元気そうで何より」
「元気なのはもう口だけよ」
「私もそう、口だけが元気なの」
と元気な口だけが話している。
「人間の体は家と同じ。まず台所が古びてダメになって、次はお手洗いにガタがくるのよね」
「そうそう私も台所とお手洗いがダメなの」(10:32)

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