【夜明けの読書メモ―「絶対矛盾的自己同一」】

【夜明けの読書メモ―「絶対矛盾的自己同一」】

スマートフォンを仕事場に忘れて帰った。枕元にスマートフォンがないので明け方目が覚めても電子書籍の読書ができない。そういう時は、読みかけた本の記憶から気になる言葉を思い出し、著者は何を言いたかったんだろうと目を閉じて考えたりする。記憶の読書。

今朝もそういう夜明け近くを迎えたので、西田幾多郎の「絶対矛盾的自己同一」を思い出した。西田は「生命は、絶対に相反するものの自己同一として成立するものでなければならない。時の同時存在の世界の自己限定として成立するものでなければならない。」と言っている。

頭の中で頭をかしげて考えていたら、プラトンの「肉体は魂の牢獄である」を思い出した。
なるほど心は身体という刑務所に終身刑でぶち込まれた囚人だろう。


DATA : SONY Cyber-shot DSC-WX300

囚人とはいえ、刑務所があるおかげで食べて寝て生きていけるわけで、刑務所が老朽化して機能を果たさなくならないよう、さまざまなお世話をするエッセンシャルワーカーでもある。エッセンシャルな仕事とはいえ、ときには手抜きしたり、休みをとったりの差配も自分でできるわけで、囚人でありながら同時に刑務所長であるとも言える。

そして刑務所が休んでいる時は、本を読んだり、映画を見たり、音楽を聴いたり、ゲームをしたりという自由がある。けれどその自由は刑務所の中庭における自由にすぎない。「絶対矛盾的自己同一」とは「この私は肉体と魂が相互に依存しなければ存在できない牢獄としてあるのでなければならない」というようなことだ。と、思う。

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