【夜明けの読書メモ―「出たり入ったり」】

【夜明けの読書メモ―「出たり入ったり」】

布団をを跳ねのけて寝ている人に上掛けを掛けてやろうとすると手で払い除け「暑いから涼んでる…」のだと寝言のように言う。たしかに自分も寝ながら布団に潜り込んだり跳ねのけたりして体温調整している。人間サーモスタット。記憶という意識が無いという意味での無意識でそれをやっている。布団という膜を通して内部と外部を無意識に行き来している。

「私は寝ているとき、暑くなると上掛けを跳ねのけ、寒くなると上掛けを引き寄せて潜り込むということを、無意識にやっているのだと思います」という自白を自覚と言う。

「布団を跳ね除けたり引っ被ったりする私」を「布団を跳ね除けたり引っ被ったりする私」であると認めますと言い「誰が?」と聞かれて「私が」と答えるときの「私」とい場所があり、自覚の有無は内部と外部を隔てる膜の有無を認識できるか否かを指している。

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「自覚とは「私が私に於いて私を知ること」である。」
「私は、私自身について自覚するとき、私を主語かつ目的語として知るだけではなく、そのうえ私に於いても、知るのでなければならない。」(永井 均『西田幾多郎 言語、貨幣、時計の成立の謎へ』)

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