鳥居耀蔵と本駒込と清水2

鳥居耀蔵と本駒込と清水2

 野口武彦 『江戸人の精神絵図』 講談社学術文庫を電子書籍版で読み始めた(2015年8月21日)。鳥居耀蔵のことがもっと知りたくて 『幕末気分』講談社を紙の書籍で注文し、届くのが待てなくて著者名で検索し、すぐに読める Kindle 版でこの本を見つけたのだった。

 『 三人称の発見まで』 筑摩書房 1994、 『安政江戸地震 災害と政治権力』 ちくま新書、1997 のち同学芸文庫、 『幕末不戦派軍記』 講談社 2008 のち草思社文庫など、この人の著作は書名をみただけでなんとなく意図がわかって惹かれるものが多い。

  『三人称の発見まで』は古書で見つけたけれど高価なので中身を見てからでないと手がでない。『安政江戸地震 災害と政治権力』 は 「地震後の社会の 『ラディカルな能天気、支配層への期待感ゼロ状態、とことん徹底的な政治無関心』」 と同書解説にあるように、東日本大震災以降の日本で起きていることと酷似しているのではないか、というタイトルへの興味と中身が合致していそうなので注文した。 『幕末不戦派軍記』 も、まさに求めていた「地べたから観た幕末明治維新」 が読みたいという期待にぴったりそうなので注文した。

  で、『江戸人の精神絵図』 だけれど、徂徠学の詩文制作を重んじる一派を 「 「詩酒徴逐(ししゅちょうちく)」(詩を作ると称してしょっちゅう酒を飲んでむらがっている)」 と世間では言っていたと前書きにある。なんだかいまの日本人には頭の痛い批判だけれど、そういう思潮への反作用として江戸時代の改革はあった。

  非合理主義的開放の時代とその反動としての合理主義的粛清の時代。解放と統制、呼気と吸気、海退と海進、弛緩と緊張のような振り子運動として、日本の歴史は繰り返されているだけはないか。そういう中で妖怪じじい鳥居耀蔵はどう生きたか、どう生かされたか、どう生きなくてはならなかったか、とか。そんなことが知りたくてたまらない。

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