電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
鳥居耀蔵と本駒込と清水
鳥居耀蔵と本駒込と清水
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幕末明治維新は多くの人が苛烈に生きざるを得なかった時代だ。
その人自身が意識して苛烈に生きた場合もあれば、意図せずして流されざるを得なかった苛烈な運命もあるし、本当かどうかわからないけれど後の世の人々の解釈と評価がその人に対して苛烈にすぎる可能性もある。
後の世の人々の解釈と評価がその人に対して苛烈にすぎる可能性として、妙に気になる生き方をした人たちがいて、鳥居耀蔵もその一人だ。あまりに娯楽時代劇で悪のレッテル張りが激しいこと、伝記などをたどると意外なエピソードが多いことに加えて、郷里清水の草ヶ谷や小島に居住したことと墓が近所の駒込吉祥寺にあることもあって馴染み深く、妙に気になっている。
|鳥居耀蔵の墓がある駒込吉祥寺、2015年8月19日正午|
所詮想像でしかはかりえない過去の人の人生を、柔軟に人間臭い視野から眺めることをしてみたくて、野口武彦 『幕末気分』 講談社、平岩弓枝 『妖怪』 文春文庫、童門冬二 『妖怪といわれた男 鳥居耀蔵』 小学館文庫の三冊を注文してみた。
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