【三上】

【三上】

モンテーニュ(フランスの思想家 1533~1592)の城の便所をのぞいたら『エセー』( Les Essais モラリスト文学)の著者の「三上の一つ」は甚だ粗末だったという。この紀行文(桑原武夫)からの引用にある三上とは「みかみ」ではなく「さんじょう」なのだろう。この「三上の一つ」ってなんだろうと気になる。

気になるので三上(さんじょう)とはなにかと辞書を引いたら、欧陽脩(おうよう・しゅう 北宋の文学者 1007~1072 )が、文章を考えるのにもっとも都合がよい場所は馬に乗っているときの馬上(ばじょう)、寝床に入っているときの枕上(ちんじょう)、便所に入っているときの厠上(しじょう)の三上だと「帰田録」に書いているのだという。

紀行文の筆者はのぞいた便所の粗末さと、厠上(しじょう)の産物である名著がまとうあざやかな対比を思って愉快だったのだろう。

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