電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
▼焼鳥屋のそろばん
子どもの頃から母親に
「あんたは物を粗末に扱う、ものの有り難みを知らない」
と始終小言を言われて育ったが、それでもひとつやふたつは大切に使い続けて、
「良く使ったね、いかんせんボロだからもう捨てようね」
と家人に言われる物があり、どこの家でも、どんな人にでも、他人が見たらあっけにとられるくらい、大切に使い込まれた物がひとつくらいはあるのだと思う。
「あんたは物を粗末に扱う、ものの有り難みを知らない」
と始終小言を言われて育ったが、それでもひとつやふたつは大切に使い続けて、
「良く使ったね、いかんせんボロだからもう捨てようね」
と家人に言われる物があり、どこの家でも、どんな人にでも、他人が見たらあっけにとられるくらい、大切に使い込まれた物がひとつくらいはあるのだと思う。
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人も物も建物も年をとる。
近所の商店街に焼鳥屋があり、夕暮れ近くの買い物時になると、串を並べて焼いて良い匂いを立てている。
昔は店内で食べさせ、酒を呑ませる店だったようで、くすんだカウンター席が奥に見えるけれど、事情により夕方だけ持ち帰り専門にして営業を続けているらしい。
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いつも気になるそろばん。
客が買った焼き鳥を懐かしい色のついた包装紙でくるみ、合計金額をそろばんで計算してくれるのだけれど、その木製そろばんが使い込まれて角が丸くなっている。油汚れするのでときどきゴシゴシ洗っているのだろう。その古び具合が宝物のように見え、一度写真に撮らせて貰いたいと思っていたのだけれど、ちょうど休憩時間らしく無人だったので失礼して写真に記録した。
何度見ても溜息が出る美しい仕事の道具。
コメント ( 2 ) | Trackback ( )
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村松の西井鶏屋も勝沢肉屋も大滝魚屋も、みぃんなこの緑の包み紙だっけよ。