▼位置

 

 九月も終わりに近づき、街路樹も色づき始めたものを見かけるようになった。半袖を着た人の姿が減り、人はこれから冬に向かって着膨れていく。




教育の森公園の秋



 電車に乗って車内が空いていて、自分で好きに座席の場所を選べる場合、人それぞれに自分が占めたい好みの位置があるようで面白い。たまに、空いていても端から順に詰め合って座る行儀の良い人も見かけるけれど、たいていは他人から距離を置いてポツンと座りたいものだと思う。




朝倉響子作、フィオーネとアリアン+1



 旧東京教育大学跡地を利用した教育の森公園にも深まり行く秋の気配がある。朝倉響子の作品「フィオーネとアリアン」と並んで腰をおろしている女性がいた。
 写実的ではあっても本物の人間ではないのでもう少し近づいて腰掛ければいいのに、左のはみ出たお尻が痛くないか、などと余計な心配をしてしまう。僕なら遠慮無くフィオーネとアリアンに挟まれた一番広い部分に腰掛けると思うのだけれど、彼女には彼女の占めたい位置と遠慮があるのだろう。


 

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