公衆の眺め

2012年7月3日

 もう十年以上まえだけれど、家内の伯父さんが品川区小山で亡くなり、それが東京で参列する初めての葬儀だった。こんなに家が建て込んだ都会のどこに火葬場があるのだろうと心配したが、意外に近い場所にあったので驚いたことがある。
 東京都品川区にある民間の火葬場桐ヶ谷斎場で、美空ひばりの葬儀もここで行われたという。プールつきのひばり御殿に住んだ大スターもこういう場所で火葬されたわけで、死ねば人はみなほとけ、最後に平等であるというのは清々しいものだなぁと、妙な感心をした記憶がある。

 毎朝10キロのコースを1時間かけて歩いていると言ったら、その距離をそんなに早く歩けるはずがないというので iPhone アプリで計測したら、地図上で測った距離より短くて約8.5キロだった。ときおり写真を撮ったりして立ち止まったこともあり、所要時間は1時間をちょっとオーバーした。

|滝野川浴場の煙突|2012年7月3日|

 朝のウォーキングルート、白山通りと明治通りが交差するあたりの高速脇に煙突があり、こんな場所に銭湯があるのかと驚いた。死んで火葬場で平等になる前に、人は公衆浴場や大衆酒場で何度でも予行演習できるわけで、公衆の場所がある都市の眺めは、これはこれでよいものだなと思う。

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