発掘7


こいつはどうしようかと思ったけれど、自宅に置いておくことにした。
高校生の時に作ったMX-1だ。
1980年頃だろうか?
ご多聞に漏れずFE103のセンターコーンが凹んでいる(笑)

週刊FM別冊の「長岡鉄男のオリジナル・スピーカー工作45」を読みながら作った。
このあたりから自作の道に入った方も多いのでは?

アンプを選ぶスピーカーで当初は思ったほど広がらなかったが、何かのアンプをつないだ時にいきなり驚愕的音場空間が展開した。
横や上から音がかぶさってきて、偶然居合わせた友人と目を白黒させたのを覚えている。
オーディオの楽しみというのは、本来そういう原始的な体験から始まるべきなのだろう。

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )

貴重な資料


D3X + Carl Zeiss Distagon T* 21mm F2.8 ZF

大きな画像

部屋を片付けていて、いろいろ考えさせられた。
なぜこんなにも、ものを溜め込んでしまったのだろう。
貴重な資料・・いつかきっと使うことがある・・そう思って捨てずに取っておいたものばかりである。

しかしコメントいただいた通り、恐らく二度と読むことも使うこともないだろう。
人生が永遠に続くというなら、あるいは役立つこともあるかもしれない。
しかし限られた人生の中で、それらに出番が回ってくることは無いように思う。

僕の父親は若い頃、仕事の傍ら釣に没頭していた。
その熱中ぶりは、ほとんど命懸けといっていいほどで、地区の番付では常に横綱の地位にいた。
父の部屋には凄まじい数の釣竿が並び、釣に関する書物が山のように積んであった。

本棚には昭和初期に創刊された釣の本が、一冊も欠かさず数十年分ファイリングされて揃っていた。
さすが親子、やることがそっくりである(笑)
時折この貴重な資料をどうしようかという話になった。
大学の釣研究会に寄付してはどうか・・などという意見が出た。

年をとり、若い頃は無敵に思われた父も衰えてきた。
体は癌に侵され、それでも気力で仕事は続けていたが、歩く力はなく、車椅子で押されて移動するようになった。
頻繁に病院を行き来するようになり、家では電動式のベッドに横たわり生活するようになった。
もう長く生きられないことは誰の目にも明らかであった。

ある日、貴重な資料であったはずの釣の本のファイルが、庭の温室に野ざらしになり積まれているのを目にした。
驚いた僕は、どうしたのかと尋ねたが、もう捨ててしまっていいと言う。
あれほど大切にしていたではないか・・と言っても、あれを贈られても喜ぶ人はいないだろう・・などと言う。

ものに対する執着が失われていた。
それは悟りの境地・・というより、死期が近いことを意味しているように思えた。
それから数ヵ月後に父は亡くなった。

貴重であったのは資料ではなく、それを大切にする精神の方ではなかったか?
たとえ使うことは無くても、ものがそこに並んでいるだけで、生きるエネルギーを与えてくれたのではないか・・そう思うことがある。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

残骸


D3 + AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED

大きな画像

今年はカブトムシが多いような気がする。
何年か前にそういう年があったが、今年もカブトムシの残骸をよく見かける。
冷夏というが、その年生まれてくるカブトムシには、直接関係無いのかもしれない。

例年のように、郊外にある工場の周辺を歩いてみたら、立て続けに数匹みつけた。
箱に入れて持ち帰り、事務所の女性にあげようとしたら、迷惑そうな顔をされた。
数年前お子さんにお土産にと何匹かあげたら、子供ではなく御主人の方が夢中になってしまい、今では一部屋をクワガタの飼育にあてて、いくつも飼育ケースを並べるまでになってしまったという。
それは悪いことをした(笑)

街灯に飛んできたカブトムシをみつけるには、虫が隠れそうな場所を探す。
見えるところに落ちているカブトムシは、ほとんどネコに食べられてしまう。
あの連中は夜遅く街灯の下に集まり、カブトムシが飛んでくるのを待ち構えているのだ。

ネコは悪食で、カブトムシやクワガタの腹の部分だけを食べる。
昼間歩くと、食い散らかしたカブトムシの「残骸」が散乱している。
腹部が無くなっているので、大抵は頭の部分だけで、それに脚が数本付いている場合が多い。

問題はそれがまだ「動いている」ということだ・・・
頭だけになったカブトムシに蟻がたかり、助けを求めるように脚を動かすのだ。
さすがにあれを見るとぞっとする(汗)
モビーディックの体に巻きついたエイハブ船長みたいである。

もっと気味が悪いのはクワガタの場合だ。
昨日はノコギリクワガタの「頭だけ」が落ちていたのだが、あろう事か、その大きなアゴがギー、ギーと開いたり閉じたりしていた(大汗)
その気味の悪さに比べたら、ディズニーランドのカリブの海賊など、子供騙しもいいところだ。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )

経過


D3 + AF-S Micro NIKKOR 60mm F2.8G ED

大きな画像

二日間、家に缶詰になって部屋の片付け・・・(笑)
考えていたほど進まないので焦りが出てきている。

30年もの間、ただただ溜め込んだ部屋なので、数日できれいにすると言っても、そう簡単にはいかないのだ。
30年間放っておいた事を、結局今すべてやらなければならないだけの話である。
部屋にあるものにランク付けをして、いらないものは廃棄、何となく捨てられないものは倉庫行き、一級品だけを部屋に残す・・という作業だ。
当然今力を入れている趣味は優遇される。

惜しいのは革関係の工具類で、プロでも持っていないようなものをアメリカから大量に買い込んでいるのだが、自分ではもうやる気はないので、とりあえず倉庫行きにしようと思っている。
よくまあこんなに・・と思うほど揃っている。
徹底的に調べて、どうしても見つからないものは米国の会社に特注で作ってもらったり、果ては1800年代のアンティークの工具を落札したりして集めた。
手先が器用なMrs.COLKIDが興味を示しているので、革関係は彼女に託すことにした(笑)

大変不思議なのは、六畳間から出てきたものを箱に詰めているのに、箱の容積が部屋の大きさを超えようとしていることだ。
当初の予定の量と違うので、運送会社から見積もりのし直しの話が出るほどであった。
どうしてこういうことが起きるのか、知っている人がいたら教えて欲しい(笑)
コメント ( 10 ) | Trackback ( 0 )

発掘6


後から後から出てきてネタに尽きることがない。
本当にこの発掘シリーズなら、向こう1年くらいは苦も無く続けられそうだ(笑)
4次元ポケットみたいに無尽蔵な部屋だから・・・

丸メカニックが全巻出てきた。
当時(中学生の時に創刊された)は決定版ともいうべき資料であったが、その後同じような本が出版されているので、今となってはそれほどの価値は無いのだろう。

月刊誌のマンガ少年も創刊から廃刊まで揃っているはずだが、置き場所が無くてベッドの下に敷き詰めてある。
もう湿気で腐ってしまったかもしれない(笑)
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )

発掘5


父親の水筒が出てきた。
僕がもらって棚にしまっておいたのだ。

多分復員兵が食うに困って売り払ったものを、どこかの闇市ででも購入したのだろう・・と勝手に想像している。
母親に聞いたら、釣に出かける時はいつも持って行ったという。

父親からもらった時に、水筒の表面に最初のオーナーの名前がうっすらと書いてあるのに気付いた。
そのことを父親に話したら、当人は気付いていなかったらしく、驚いていたのを覚えている。

母親によると、当時はどこの家庭にもこの水筒がごろごろしていたという。
出掛ける時は、体に斜めにぶら下げて持ち歩いた。

水道が完備されていなかったから、飲み水の確保は重要だったのだ。
自動販売機でいつでもペットボトルが買える今の日本では、そういうことに無頓着になってしまった。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
   次ページ »